2017年5月20日 (第3203回)

ゲーム観戦者と人工知能

立命館大学情報理工学部 教授 THAWONMAS Ruck

 毎月数億人以上のユーザが,ゲームプレイ動画をコンテンツ配信サービスを利用して観戦している.また, eスポーツの普及とともに,ゲームは新しいメディアとして有望視されつつある. そこで,観戦者を楽しませるための人工知能に関する研究がほとんど存在しなかったため.ごく最近私の研究グループは観戦者を楽しませるコンテンツを生成するProcedural Play Generation(PPG)を提唱した. PPGはアルゴリズムにより自動的に操作されるキャラクタ(AI)同士の対戦によるゲームプレイを自動生成し,そのゲームプレイを個々の観戦者の嗜好に合わせて提供することを目的としている. 観戦者はそれぞれ異なった嗜好を有しているため,PPG の実現には,ゲームプレイに 対する個々の嗜好を分析し推薦するシステムと,その嗜好に沿ったゲームプレイを生成する AI が必要である. 本講座では,なぜ人々がゲームを観戦するのかを解明しようとするゲーム学の観点での他研究グループの研究事例及び当研究グループによる人工知能に関する研究成果を紹介する.