2023年6月17日(第3381回)

⽇本における移⺠・難⺠受け⼊れの 政治と⼈々の賛否態度

⽴命館⼤学法学部 教授 村上 剛

 現在多くの民主国家において、移民・難民の受け入れと統合が主要な政治問題として議論されている。受け入れの規模や程度は国により、また時期によっても異なるが、日本がこれまで受け入れてきた移民・難民の数は、比較しうる他の民主国家と比べて相対的に少なく、受け入れには消極的な国家として理解されている。これは何故であろうか。また、日本が移民や難民を受け入れることについて、一般の人々(有権者)は、どのように考えているのだろうか。

 本講座では、日本の事例を用いて移民・難民受け入れをめぐる政治について概説し、人々の受け入れに対する賛否態度の特徴について、近年の実証研究に基づいた知見を提供する。