2006年10月7日 (第2789回)

国際政治ゲーミング・シミュレーションへの招待 ―もうひとつの国際政治の学び方―

放送大学講師 近藤 敦

 「国際政治ゲーミング・シミュレーション」という言葉を聞かれても、多分、多くの方はそれが一体どのようなものなのか、想像できないのではないかと思います。

 それをひとことで表すならば「外交の模倣」と言ってよいでしょう。つまり参加者(多くの場合、学生)が、日本やアメリカといった国々の首相・大統領や外相・国務長官の役割を演じ、一定の条件下で外交を展開していき、そのなかで国際政治というものを擬似的に体験してもらう、というものです。

 このように言うと「国際政治ゲーミング・シミュレーション」は単なる「遊び」ではないかと思われるかもしれません。確かに高度で知的な「遊び」ですが、国際政治に関する学習への動機付けや知識の活用に優れた学習ツールでもあります。

 今回の講義ではこのような「国際政治ゲーミング・シミュレーション」の特徴や問題点についてお話をしたいと考えております。そして通常の「講義」以外の「もうひとつの学び方」としての「国際政治ゲーミング・シミュレーション」への理解を深めていただければと思っております。