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学部長あいさつ

Kazuko TAKAYA

高屋 和子

立命館大学 経済学部長

創立70周年の礎の上に、経済学の創造的発展を通じた社会貢献を目指して

 立命館大学経済学部は2018年に 創立70周年を迎えました。広小路からはじまり衣笠キャンパス、さらには現在のびわこ・くさつキャンパスに拠点を移し20年を迎えました。この間、「自由と清新」の建学の精神、「平和と民主主義」の教学理念の下、6万人以上の学生が経済学部から社会へと羽ばたいていきました。今日のグローバル化の進む経済社会に優れた人材を輩出するとともに、強い絆をもった社会的ネットワークを創造してきました。

●不確実性の時代の中で
 2008年の世界金融危機から10年余り、今日の激動の時代にあって、経済学もまた新たな時代の抱える様々な諸課題に応えうる大胆な変革が求められています。世界では保護主義が台頭し、紛争も絶えません。2020年から続く新型コロナウイルスの世界的な感染拡大下において、社会経済は大きな打撃を受け、我々の生活様式も大きな変容を迫られました。その中で、私たちはそれらをどう受け止め、どう行動をしていくのか、重要な岐路に立たされています。そして大学は、このような時代を生き抜き、将来を切り開いていく人材を輩出していく任務を課せられています。そうした時代の要請に応えるべく、私たち立命館大学経済学部は60名を超える多彩な教員メンバーが学生、院生、職員とともに経済学の創造的な発展に取り組んでいます。

●小集団教育で主体性を育み、
コア科目とユニット性により包括的・実践的知力を獲得
 立命館大学経済学部では、2017年にカリキュラム体系を一新しました。新カリキュラムではゼミを軸とした4年間の一貫した小集団授業を構築し、学生の主体性を育む教育に取り組んでいます。とりわけ、学生自身の運営による毎年400名近くの学生が参加発表する学内ゼミナール大会は、ゼミでの学びや卒業論文作成のための貴重なインフラとなって定着しており、コロナ禍においても、オンラインを活用し実施を続けてきました。また、社会科学の王道ともいえる経済学の体系的な修得をコアに据えつつ、学びの多様な応用・展開を可能にするユニット制を採用し、時代の新たな要請に即応できる包括的で実践的な知力の獲得を目指しています。

●2つの専攻でグローバル化と専門的キャリア形成に取り組む
 経済専攻と国際専攻との2つの専攻を設け、両専攻の風通しのよい交流を通じて、学部全体が個々の学生の志向や特性に応じてグローバルな視野をもって学生生活を送れるよう工夫を凝らしています。とりわけ国際志向の高い国際専攻の学生を主たる対象としてG-ALPs(Global and Active Learning Programs)というプログラムを設け、学部独自の海外留学・インターンシッププログラムと連携して国際的視野の涵養に力を入れています。

 また、経済学部ではキャリア形成にも独自の強みを活かして力を注いでいます。卒業生の紐帯である経済学部同窓会の多大な支援・協力を得て、経済学部での学びの成果をキャリア形成に結実させるための経済学部独自の進路応援企画(通称メントレ)は9年目を迎え着実に定着しています。また、財務・会計プログラム、公務・行政プログラムなどの専門性の高いキャリア形成に応えうるプログラムを設けています。こういったキャリア・プログラムの充実をより一層図るとともに、現在、次期カリキュラム改革に向け、地域連携分野やデータサイエンス関連のプログラムを設けるべく検討を始めています。経済学部は、学生生活で培った知力を着実に社会で活かせる、さらには社会に出た後にも立命館大学経済学部卒業生として誇れる社会的ネットワークの形成に取り組んでいます。

 さらに、全国から学生が集まる立命館の歴史的特色を活かし、滋賀県びわこ・くさつキャンパスを拠点として、近隣地域を含め全国、さらには世界各国と連携し、グローバルな視野でそれぞれの地域社会の抱える課題に対して積極的に寄り添い貢献していきます。

●固有の存在価値を持った経済学部へ
-創造性、多様性、堅固な社会ネットワークを基礎に
 既存の経済学を豊かに発展させる創造性、学生ひとりひとりの個性を豊かに育む多様性重視の教育、卒業生とともにお互いの人生を支え合う堅固な社会的ネットワークの構築、こうした点をモットーに、立命館大学経済学部は世界に幾多とある経済学部において固有の存在価値をもった学部となるべく尽力して参ります。

 様々な方々に立命館大学経済学部の社会的ネットワークに加わっていただき、自らと社会を豊かに、そして学生や教職員もともに成長していく場となるべく努力して参ります。

2022年4月
立命館大学 経済学部学部長
高屋 和子

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