Vision

学園ビジョンR2030

挑戦もっと自由に

Challenge your mind Change our future

はじめに

 立命館学園は1900年に創設以来、建学の精神を「自由と清新」、教学理念を「平和と民主主義」とし、世界と日本の平和的・民主的・持続的発展に貢献するという教育・研究機関としての根源的な使命と役割を果たすべく、数々の「改革」によって社会にその時代の新しい価値を提供してきました。

 2011年以来、立命館学園は、学園ビジョンR2020「Creating a Future Beyond Borders 自分を超える、未来をつくる」のもと、社会への貢献と学園創造に取り組んできました。しかし、激動著しいこれからの社会にあって、立命館学園は、建学の精神「自由と清新」のもとに、学園ビジョンR2020の到達点を基礎としながら、もっと自由な発想で、もっと自由に挑戦しなければなりません。

 これから迎える2030年はどんな時代になっているでしょうか? AIやIoTをはじめとするテクノロジーの進展、人口間題、エネルギー・資源、健康・医療など様々な要因が急速かつ複雑に絡み合うことで、私たちが抱く価値観や方法論が覆されるようなことが起こるかもしれません。2030年は、これまでとは全く異なる劇的な変化が思いもよらないところから起こる時代、これまでとは質的に異なる予測困難な時代と言えるのではないでしょうか。

 2030年に向けて立命館学園は、これまでの改革の蓄積による評価を社会に求め続けるにとどまらず、立命館学園が描く未来社会のあるべき姿とその実現に向けたあくなき挑戦にこそ評価を求めていくことが必要だと考えます。この決意をもって、立命館学園は「学園ビジョンR2030」を掲げ、その実現に向けた取り組みを推進します。

挑戦をもっと自由に

 これからも立命館学園は、それぞれの志のもとに未来社会を創造する先駆者を輩出し、立命館学園自らも先駆者として挑戦を続けます。

立命館憲章THE RITSUMEIKAN CHARTER

立命館は、西園寺公望を学祖とし、1900年、中川小十郎によって京都法政学校として創設された。「立命」の名は、『孟子』の「尽心章句」に由来し、立命館は「学問を通じて、自らの人生を切り拓く修養の場」を意味する。

立命館は、建学の精神を「自由と清新」とし、第2次世界大戦後、戦争の痛苦の体験を踏まえて、教学理念を「平和と民主主義」とした。

立命館は、時代と社会に真摯に向き合い、自主性を貫き、幾多の困難を乗り越えながら、広く内外の協力と支援を得て私立総合学園への道を歩んできた。

立命館は、アジア太平洋地域に位置する日本の学園として、歴史を誠実に見つめ、国際相互理解を通じた多文化共生の学園を確立する。

立命館は、教育・研究および文化・スポーツ活動を通じて信頼と連帯を育み、地域に根ざし、国際社会に開かれた学園づくりを進める。

立命館は、学園運営にあたって、私立の学園であることの特性を活かし、自主、民主、公正、公開、非暴力の原則を貫き、教職員と学生の参加、校友と父母の協力のもとに、社会連携を強め、学園の発展に努める。

立命館は、人類の未来を切り拓くために、学問研究の自由に基づき普遍的な価値の創造と人類的諸課題の解明に邁進する。その教育にあたっては、建学の精神と教学理念に基づき、「未来を信じ、未来に生きる」の精神をもって、確かな学力の上に、豊かな個性を花開かせ、正義と倫理をもった地球市民として活躍できる人間の育成に努める。

立命館は、この憲章の本旨を踏まえ、教育・研究機関として世界と日本の平和的・民主的・持続的発展に貢献する。

2006年7月21日 学校法人立命館

学園ビジョンR2030

挑戦をもっと自由に

Challenge your mind Change our future

いま 世界と社会は
大きく 急激に 変わっています

先を見据えることが
極めて難しい局面を迎えています


このような時代のなかで
未来のあるべき姿を積極的に
社会に提起していくとともに

柔軟に 粘り強く 変化に対応できる力を育み
多様な人々が集う学園の創造を通じて
社会に貢献します

このために 異なる価値観を認め合い
摩擦を恐れず 高め合い
これまでの限界を超えていく


あらゆる人の自由な挑戦が
希望に満ちた未来につながる
社会を目指して

私たちはこれからも挑戦を続けます

学園ビジョンR2030の
学園像・人間像

立命館学園は、「学園ビジョンR2030」に基づき、児童・生徒・学生はもとより、教職員・校友に至るまで、 個々人がそれぞれの立場から社会のあり方を考え、平和な社会の実現に向けて 果敢に、自由に挑戦する人々が集う学園創造を進めるために、以下の学園像と人間像を設定します。

学園像

学び続ける社会の
拠点としての学園

自らのライフステージに合わせて、必要なことをいつでも、自分に適した形で学び、新たな挑戦の力を育むことのできる「人生の寄港(校)地」としての学園

人類社会における
様々な課題に挑む学園

世の中の様々なレベルや規模で存在する課題を見出し、その解決に挑戦する学園

ダイバーシティ&
インクルージョンを実現する学園

個人・組織・地域・国・宗教・風習・文化・世代をはじめとする社会のあらゆる多様性を前提とし、個人の意見や考え方の違いを理解・尊重し、他者と協働しながら多様な「つながり」を育む学園

人間像

チャレンジ精神に
満ちた人間

摩擦や失敗を恐れず、困難を粘り強く果敢に乗り越える強い意志と逞しさを備えた人

社会の変化に対応し、
自ら考え、行動する人間

社会の変化をつかみ、様々な課題を認識する洞察力を有し、課題解決への一歩をふみ出す人

グローバル・シチズンシップを
備えた人間

自分がグローバル社会の一員であることを自覚し、他者の立場と意見を尊重し、調和のとれた解を導き出すことにより、多文化共生社会の実現に挑戦する人

学園ビジョン
R2030の政策目標

学園ビジョンR2030の学園像・人間像を実現するために、6つの政策目標を示します。

新たな価値創造の
実現

将来の社会のあるべき姿を思い描き、その実現に向けた新たな価値創造に挑戦する人を応援し、立命館学園として新たな価値創造に挑戦します。

  • 常識にとらわれず、より良い社会を目指して自ら課題を設定し、その解決に取り組む主体性を育成するために、多様な人とつながり、また多様な知識に接することにより、豊かな発想や考えを生み出すことのできる教育・研究環境を創造します。
  • 社会の変化に対応するとともに、将来の社会を見据えて、社会に必要な新たな知の領域を創造し、それを高める場を提供します。
  • 様々な場面で新たな価値の創造を実現すべく、基礎研究・応用研究、さらには社会実装に至るまで、フェーズに応じた研究の場を充実させます。

グローバル社会への
主体的貢献

グローバル化に伴う世界の変化が益々複雑化するなかで、地に足をつけて理念を掲げ、他者への共感と信義を重んずる主体として、世界がより良い方向に進むことに貢献するために教育・研究のグローバル化に挑戦します。

  • グローバル化推進の目的として、現在と将来のグローバル社会に潜む様々な課題を洞察し、その解決に尽力する姿勢を明確にすることと定義し、教育・研究において、その具現化を図ります。
  • 国際標準の学びの質保証を図り、海外大学をはじめとする国際的なネットワークを通した教育連携を進め、さらに進んだグローバル教育・研究の深化を図ります。
  • 世界の様々な国・地域、多様な文化的背景を持った児童・生徒・学生・教職員・校友が、様々な形で交流・共修することのできるグローバル教育・研究を推進します。

テクノロジーを活かした
教育・研究の進化

テクノロジーが社会を大きく変えていく時代において、進化するテクノロジーを適切に活用し、教育・研究の高度化に努めるとともに、あるべき社会の創造に貢献するテクノロジーの創出に挑戦します。

  • 多彩なデバイスやテクノロジーを活用し、学習支援の充実や時間と場所にとらわれず自由に学ぶことができる新たな教育システムの構築に取り組みます。
  • テクノロジーが加速度的に広がる社会において、新しい知識と技術を導入し、時代をリードする教育・研究を推進します。
  • 技術社会の動向を注視し、新たなテクノロジーの創出によって未来社会のあり方をデザインし、積極的に発信します。

未来社会を描く
キャンパス創造

キャンパスを最大限活用して、地域や社会との関係を強め、社会におけるキャンパスの新しい価値提案に挑戦します。

  • 豊富な知的学術資産が集積しているキャンパスを、より良い社会をつくるための一つの社会(モデルフィールド)とみなし、その未来像をキャンパスで実践し、その成果を社会に実装します。
  • キャンパスと地域社会の境界をなくし、豊かな教育研究資源を社会に開放し、魅力に満ちた未来の社会と地域文化の創造に貢献します。
  • テクノロジーの活用によってキャンパスを全く持たない大学・学校が新たに展開をするなかで、キャンパスを有することの意義を再確認し、キャンパスを児童・生徒・学生・教職員・校友のリアルな交流を生み出す、実践の場として展開します。

シームレスな
学園展開

新たな価値の創造に挑戦する環境を充実させるために、空間的・地理的・時間的と様々な意味でシームレスにつながる教育・研究に挑戦します。

  • 多世代の人々が集い、社会的・文化的背景の異なる多様な人々が交流しあう、幅広い学びの機会を提供します。
  • 立命館大学、立命館アジア太平洋大学、各附属校の枠を超えた立命館ならではのシームレスな教育・研究を展開します。また、人文社会科学系・自然科学系の融合(文理総合)を一層加速させ、分野を横断した新たな教育・研究を展開します。
  • 産業界・自治体・NPOをはじめとする社会の様々な組織との多様な連携により、教育・研究の新たな展開を推進します。

多様性を活かす
学園創造

児童・生徒・学生から教職員・校友に至る多様な個人と多様な組織が交わる学園の多様性を「総合力」としてプロデュースする学園創造に挑戦します。

  • 各大学・附属校がそれぞれの強みや個性を最大限発揮することにより、新たな価値が生まれ、それらが立命館学園のさらなる強みや個性として際立つ運営体制を整備します。
  • 多様な児童・生徒・学生・教職員が互いの強みを発揮できるように、組織が個人の成長を後押しし、個人と組織が互いの価値を高め合う学園文化を育みます。
  • 世界に広がる校友や父母をはじめ、立命館学園の多様なステークホルダーの参画による、多様性を活かした学園運営に取り組みます。
学園ビジョンR2030概念図