学部長挨拶

世界基準のIT人材を育成し、情報社会の未来をリードします。

世界がグローバル化している。そんな言説が流布しています。言うまでもなく、世界はつながっているのであり、孤立した地域などありません。しかしここで改めて問われているのは、心の在り方としてのグローバル化だと思います。世界を意識し、世界を視野に入れ、世界に向けてアイデアを発信できる人材、それが今求められているグローバル人材なのでしょう。

情報理工学部は10年前の2004年に、我が国最大級のICT(Information and Communication Technology)学部として開設されました。今年がちょうど10周年に当たります。10年ひと昔と言いますが、この10年の社会の変化は、それ以前の変化とは速度や内容がまったく違ったと言っていいでしょう。そこで重要な主役を務めたのは、間違いなくICT技術です。世界中の人がリアルタイムにつながるようになり、いつでもどこでも自由にインターネットを調べることができるようになりました。社会の意思決定の仕方にもSNS(Social Networking Services)が大きく関わるようになり、ICTは人々の日々の生活の根幹を担う重要インフラとなったのです。物理的、機能的には、世界はひとつに繋がれ、グローバル化していると言ってもいいでしょう。

そこで今求められているのは、そのような社会インフラの上で、真にグローバルに発想し行動できる人材なのです。世界がどのような方向に動いているのかを見定め、どのような方向に動いていくべきなのかを判断し、それを世界に向けて発信し、世界を変えてゆく。そのような人材です。Google、Apple、Facebook、Twitterなど、この5年間にマスコミを賑わせてきた企業の多くはICT企業であり、ICTによってグローバル化を推進してきました。まさに「社会変革」と言っていいでしょう。情報理工学部はこのような変革を起こせる人材の育成を目指しています。

このような目標を実現するため、情報理工学部では多彩な取り組みを行ってきています。例えば、多くの学生を海外に長期・短期に派遣するとともに、海外からも多くの留学生を受け入れてきました。特にインド、ベトナム、ロシアとの密な交流は他大学に先駆けたものですし、中国の大連理工大学と大連で開設・共同運営する国際情報ソフトウェア学部は我が国の大学が海外で本格的に教学を展開する初めての試みとして注目されています。
ICT Challenge+R(通称あいちゃれ)は、全国の大学生や高校生を対象としたソフトウェア創作コンテストで、ICTの次世代を担う人たちの技術向上を目的としたユニークな取り組みとして、多くの企業から賛同を得て、高く評価されています。
みらい塾は、「平成24年度文部科学省グローバル人材育成推進事業」に採択された取り組みで、ICT技術を基盤として、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、チームワーク力などの社会人基礎力と、それらを英語によって活用・運用できる力を備えた人材の養成を行うものです。研究においても、産官学および地域との密接な連携の下に、現実世界と仮想世界を融合させた複合現実感技術、日本の文化をデジタル化して次世代に継承しようというデジタルヒューマニティ、音響技術で生活を豊かにする研究など、独創的なテーマで世界に誇るレベルの成果を挙げ、発信してきています。多くの教員や学生が国内外で受賞してきた歴史は我々の誇りとするところです。

しかし次を見据えれば、情報理工学部も自らを変える時期に来ていると言えます。世界を変革するには、自らをも変革できなければならないでしょう。これまでの10年間の取り組みをベースに、さらにパワーアップした情報理工学部となるべく、議論を行っています。我々は受け身で変化するのではなく、自らチャレンジングであり続けます。ICTを学ぼうとする若い皆さんや企業の方々には、ぜひとも情報理工学部のこのような姿勢をご理解・賛同頂き、新たな世界の創造を共に目指しましょう。