科目紹介

立命館科目

立命館科目は、学生自らが立命館大学で学ぶ意義を理解し、未来を描き、未来を創る人間への成長に向けて、その礎を築くための科目群です。大学における学びのスタイルを身につけ、高校までの学習観の「転換」を図り、自らの専門性を発展させる学びの展開と選択ができるようになるために、入学後早い段階(おおむね第3セメスターまで)で1科目以上履修することが望ましいです。

13の科目から構成される立命館科目は、次の3つの特徴をもって構成されています。

  1. 自校史、現代の平和と戦争の歴史、シチズンシップ、現代人に必要な人権・ダイバーシティとインクルージョン(多様性と受容)を学ぶ科目
  2. 現代を生き抜くために必要な知の領域。科学・技術・安全等の課題を見極める力、批判的にメディアをみつめ、現代文化の動態に関心をもつ、ビックデータの理解等の科目
  3. 知識を他者との出会いや社会のなかで自分のものにする。平和人権フィールドワーク、ピアサポートの実践と理論、社会のなかで学ぶ力を身につけるアクティブラーニング型の科目

在学中にこれら「立命館科目」を複数科目受講することを推奨します。この3つの特徴を掛け合わせた「知のかけ算」で複眼的視点を身につけてください。

日本の近現代と立命館

科目概要

本学で学ぶ者にとって共通した「身近な場」である大学の歴史を通して、日本近現代史を学び、今日我々が直面している近代化のひずみ、教育の危機などの問題を身近な視点から再考する。

到達目標

  1. 立命館学園の歴史を学ぶことを通じて、日本近代における高等教育の歴史についての知見を深める。
  2. それを通じて今日の立命館が置かれている状況、さらには日本の高等教育が直面している問題点を歴史的・総合的に考察できるような目を養う。
  • 1・2回生配当
  • 2単位
  • 導入科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

ピア・サポート論

科目概要

本学では、学生同士による学生支援のシステムが様々な分野で展開され、双方の成長を図っていく視点から、ピア・サポートの取り組みが蓄積されてきた。特に、初年次における学生支援の一環として、高校から大学へと学びの転換を図っていくうえで、ピア・サポーターの果たす役割は大きい。ここで活躍するピア・サポーターを育成するに留まらず、相互支援による学びのコミュニティの裾野を広げていくために、ピア・サポートの理念・目的をはじめ、コミュニケーション能力や課題解決能力の習得、自大学の歴史や基本的な青年期発達理論への理解が必要となる。本授業は、グループワークの手法を活用した演習と講義を組み合わせて行うことで、ピア・サポートに求められる知識、技能、実践力の獲得を目指す。

到達目標

(知識・理解)

  1. 青年期の発達理論や現代大学生の特徴をふまえ、ピア・サポートの理念や目的、意義について説明することができる。
  2. 本学におけるピア・サポートの理念・目的や、各種ピア・サポート(オリター制度、ES制度等)の歴史、仕組みを説明することができる。

(関心・意欲・態度) 
ピア・サポートについて自ら学ぶ態度を持ち、講義や演習を通して得た知識や経験を学生生活の様々な場面におけるピア・サポート等の取り組みに活かそうとする。

(技能・表現)
コミュニケーションや課題解決等の技能を習得し、必要な場面で実際に活用することができる。

  • 1・2回生配当
  • 2単位
  • 導入科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

ジェンダーとダイバーシティ

科目概要

多様性(ダイバーシティ)は本来社会を豊かにする。しかし現実には、人間が人間らしく生きることにかかわる様々な差別、偏見、格差などの社会問題がある。それらを理解するために平等、人権、正義という考え方が重要となる。開かれた関係づくりをめざすジェンダーの視点など、他者を尊重する考え方を身につけ、多様な個々人の相互理解の実現を妨げている社会の現状とそれらを解決する道筋(思想、制度、行動)について具体的に学ぶ。社会における自分の立場をも重ねて思考し、自由で公正な社会を構想する。

到達目標

  1. 日常的な生活をとおして平等、人権、正義に反する社会問題を考える。
  2. ジェンダーの視点など、多様性(ダイバーシティ)を尊重するとはどういうことかについて理解する。
  3. 社会における自分の在りようを考え、具体的行動に結びつけることができるようになる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

メディアと現代文化

科目概要

通信技術の飛躍的発展によって、現代の社会と文化をめぐる環境は大きく変貌しつつある。本科目では、文字や音声、映像といったメディアが、本、新聞、雑誌、映画、テレビ、ラジオ、電話、インターネットなどの形をとって、社会・文化の形成・発展とどのように関係してきたか、またメディアと現代文化との間にどのような問題と課題があるのかについて学ぶ。

到達目標

  1. メディア(マス・メディア)と現代の社会・文化との関係についてのこれまでの考え方とその背景を説明できること。
  2. 現代のメディア(マス・メディア)の在り方をめぐる社会的な問題を説明し、課題と方方向性を提示できること。
  3. 自分をとりまくメディア環境とそれとの関わりについて、具体的かつ客観的に分析できできること。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

市民と政治

科目概要

政治や国家は私たち市民から遠い存在のようにも見えるが、政治は市民の日常生活に影響し、逆に市民が政治に参加する制度や機会も増えてきている。この科目は、政治と市民の関係とくに民主主義について考え、政治学の基礎に接近する。身近な素材を用い、具体的な政治問題から出発しながら、政府の機能、民主主義の理念、民主主義の制度としての選挙や政治参加について、現状の理解と問題点の検討をうながす。内容と関連づけて、諸外国の政治状況、近現代の政治史や政治理論について扱うことがある。

到達目標

  1. 政府の機能、民主主義の理念、選挙、政治参加、および講義で扱われたその他のテーマについて理解し、説明できるようになる。
  2. ニュースなど、現実の政治問題に興味関心を持つ。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

日本国憲法

科目概要

できるだけフレッシュな事例を取り上げながら日本の憲法問題を概説する。外国人の選挙権付与問題や、検定教科書問題など現代日本の社会が抱えている問題を深いところでつかみ、憲法の原理や解釈がそれとどのようにかみ合うのか、あるいはかみ合わないのか、法的にはどのような解決策があるのかについて考える。

到達目標

  1. 憲法の基本原理について正確な知識をもつこと
  2. 国家権力のコントロールと人権保障について日本国憲法が果たしている役割を考えること
  3. 日本国憲法が現時点で直面している問題点を考察すること
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

災害と安全

科目概要

災害が人間生活、国土にどのような影響を及ぼすかを事例(自然災害・都市災害など)を通じて論じ、災害の発生原因、メカニズム、被害構造、補償制度について自然科学的・社会科学的に、総合的に理解させる。その際、地域レベル、政府レベル、地球レベルでの防災システムのあり方を、国連・政府・自治体・民間の活動を通じて学ばせる。

到達目標

  1. 災害と安全について社会科学及び自然科学の方法論を用いて説明できる。
  2. 受講後の実践的活動に必要な防災知識を習得する。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

歴史観の形成

科目概要

主として日本史研究の分野で世界史・東アジア史を視野に入れた歴史理論・歴史観がどのように構築されてきたかについて、最新の世界における歴史理論触れながら、論ずる。これらの歴史理論からは世界史・東アジア史の動向がどのように視野に収められていたのかに注目し、そうした歴史観が史学史的にどのような意味があったのかについて探究する。

到達目標

  1. 日本史学研究の分野を中心に、どのような歴史観が構成されて来たのかについての史学史的理解を深め、それらが、そういった社会的要請に応え、また人々にいかなる影響を与えてきたのかについて理解を深める。
  2. 各研究分野の研究を題材に、これまでの日本史学研究が歴史の何に注目し、それをどのように捉え意味づけたのか、その理由は何だったのか、そこにどういう問題点が孕まれているのかについて、学術的に理解できるようにする。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

科学・技術と社会

科目概要

文・社系の学生の動機付けにもつながるようなトピックスをとりあげながら、科学技術にかかわる現代的な社会問題、あるいは産業経済との関わりやその日本的特質などを通じて、科学技術の果たしている社会的役割、影響、および問題点を明らかにする。

到達目標

  1. 科学や技術に関わる社会問題に関心を持つ。
  2. 科学・技術と社会、あるいは産業経済との関わり等の代表的な例について説明できる。
  3. 科学・技術と社会の関わりについて、自ら調べ、考える態度を持つ。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

実践データ科学

科目概要

統計学およびデータ分析の基礎と実社会における応用事例について学び、実際にデータを収集して分析する。その分析結果からどのような問題解決が可能になるか討論し、成果をグループごとに発表する。

到達目標

統計学やビッグデータ解析、人工知能の基礎を理解し、これらが実社会でどのように活用されるか理解する。統計学やデータ科学の、運用や実社会応用に向けて、企画力、情報セキュリティを学ぶ。

  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

現代平和論

科目概要

平和あるいは安全保障とは、世界の人々のいのち・生活・尊厳がまもられることを意味する。この科目は、それを脅かすものは何であるか、それを実現するために必要な制度・政策はどのようなものであるかについて考察する。大学における研究教育が、軍事・戦争に荷担したことをはじめとして、人々のいのち・生活・尊厳を侵害した歴史を想起して、大学の研究教育の平和化という側面にも留意する。

到達目標

  1. 核時代における平和課題を理解する。
  2. 平和のための様々な規範、制度、アクター等を理解する。
  3. 東アジアにおける葛藤・矛盾を認識し、東アジアの平和への条件・ロードマップを考える。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

戦争の歴史と思想

科目概要

20世紀の戦争は、国家資源を総動員した総力戦として戦われ、かつてない大量殺戮の世紀となった。そして21世紀も、テロと報復戦争の応酬や悲惨な内戦、あるいは権力を背景とした人権蹂躙に示されるように、暴力と戦争の影をひきずって開幕、悲惨な状況を我々の眼前に提示している。 こうした戦争という病的な状況は、なにゆえ生まれるのだろうか。ここから、どのような教訓をひきだしたらよいのかについて、この講義では現実に展開する客観化すら困難な状況から一歩離れて、歴史的実態あるいは哲学的意味付けなどの在り方を学問的に振り返る作業を通じて、戦争という現象を思索する機会を提供していきたい。

到達目標

  1. 学生が、「平和」について、その定義を歴史的事実関係を通じて、説得力を持った内容で説明できる。
  2. 学生が、わたくしたちの日常生活における「平和な状態」と、「平和ではない状態」を見分ける判断力を持つことができる。
  3. 学生が、多元主義的な価値観を理解し、根本主義的あるいは原理主義的、さらに独善的価値観から解放される。少なくとも、他者の異なった価値観を尊重するようになる。
  4. 学生が、戦争や内戦に際して必ず登場するその哲学的意味付けについて振り返り、当事者たちが自らの生と死の問題としてこれをどのように把握していたのかに思いを巡らせるようになる。
  5. 学生が、こうした作業を通じて、戦争の発動者や推進者、擁護者にならない生活を過ごすことができる。
  • 1回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 講義形式
  • 日本語開講

平和人権フィールドスタディ

科目概要

この科目は、平和・人権の問題、すなわち人々のいのち・生活・尊厳を脅かすものとそれを克服しようとする人々の努力を理解するために、フィールドを訪ねて、当事者と出会う学びを行う科目である。当事者や同時代を生きる他者との対話・交流を通じて、平和・人権に関する学びを深め、平和・人権を実現する主体を育てることをめざす。

到達目標

  1. 国内外のフィールドを訪れて、当事者と交流することにより、平和・人権に関する諸課題を多角的・総体的にとらえる。
  2. 自分たちの学びをSDGsに関連づけて理解する。
  3. 問題解決のために自分たちに何ができるか、社会として何をすべきか、考える。
  • 2回生以上
  • 2単位
  • 形成科目
  • 演習形式
  • 日本語開講

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