大学評価・IR室 開設記念シンポジウム「大学の内部質保証をどう実現するか-認証評価やIRの視点から-」を開催

2019.09.27 TOPICS

大学評価・IR室 開設記念シンポジウム「大学の内部質保証をどう実現するか-認証評価やIRの視点から-」を開催

 立命館大学は、9月5日(木)、朱雀キャンパス大ホールにおいて、立命館大学 大学評価・IR室 開設記念シンポジウム「大学の内部質保証をどう実現するか-認証評価やIRの視点から-」を開催しました。
 このシンポジウムは2019年4月の「大学評価・IR室」(IR:Institutional Research)開設を記念して開催され、300人に上る大学関係者が参加しました。

 基調講演では、大阪大学の川嶋太津夫教授が、IRとは何かについて、歴史的変遷やアメリカの先進事例、日本の現状を紹介するとともに、日本の大学の内部質保証におけるIRの役割や課題についての考察を述べられました。川島教授は、日本においてIRは、教育プログラムの点検・評価や有効性の検証、認証評価において強調されているが、アメリカではIRからIE(Institutional Effectiveness)、DS(Decision Support)へと広がりを見せ、大学の様々な領域や各部署における意思決定を支援するものになっていると紹介されました。
 川島教授はIRのあり方に定型は存在しないこと、自律的な組織にとって情報に基づいた意思決定は不可欠であり、IRが大学の行く先を照らすものとなるように願うと締め括られました。

 引き続いて、立命館大学の鳥居朋子大学評価・IR室副室長が事例発表を行い、立命館大学が2018年度に受審した認証評価の経験を踏まえた内部質保証の到達点と課題を紹介しました。鳥居副室長は、学部・研究科の独自性を尊重しつつ、部分最適を超えた全体最適を志向することの重要性を述べました。

基調講演の様子(大阪大学 川嶋太津夫教授)
基調講演の様子(大阪大学 川嶋太津夫教授)
事例紹介の様子(明治大学 山本 幸一氏)
事例紹介の様子(明治大学 山本 幸一氏)

 次に、明治大学教学企画部の山本幸一氏が、同大学におけるIRの機能とそれを発揮するための組織体制、IRオフィスにおける多様な活動を紹介しました。明治大学におけるIRとは、意思決定を支援する上で必要な情報を提供するための調査・分析であり、データを情報に変換し、レポートすることであるとのお話がありました。

 最後に、立命館アジア太平洋大学(APU)の横山研治副学長が事例紹介を行い、APUが世界市場で留学生に選ばれるためのビジネス教育の国際認証(AACSB)取得までの道のり、その評価基準やご自身のご経験に基づいた国際通用性のある大学教育と日本の大学教育とのギャップ、APUでの取り組みを紹介しました。横山副学長からは、AACSB におけるAssurance of Learning(AOL)の考え方の紹介と、日本の大学におけるカリキュラムの細やかな見直しや必修科目の必要性について示唆がありました。

 その後、「国際的通用性を踏まえた大学の内部質保証とIRの役割」をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは、大学が学位授与機関であることを改めて自覚し、授与する学位の水準やクオリティを保証することの必要性が再確認されるとともに、大学固有の理念や文化等に基づく内部質保証やIRのあり方の検討、中長期的かつ全学的な視点での教学マネジメントの重要性、日本国内に限らないグッドプラクティスの収集や大学での柔軟な制度化等について意見が交わされました。

 参加者アンケートでは、「概念や理論の説明にとどまらず、現場レベル、運用レベルの話も聞けた。自大学に実装する想像がしやすかった」、「IR室のマネジメントや学内での役割について、大いにヒントを得ることができました」、「IRのこれまでとこれからをコンパクトにお伝え下さった基調講演を耳にするともに、内容豊富な事例報告を3つも聴くことができ、とても貴重な機会となりました」といったご感想が寄せられました。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

 立命館大学では、2015年度開設の「大学評価室」を大学評価・IR室に改組しました。これを契機として、自己点検・評価の高度化に資するIR機能の強化・充実に努めてまいります。

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