納豆もちの商品開発に携わった景井ゼミのみなさん

 産業社会学部の京北プロジェクト(景井充教授ゼミ)の学生6人が、京都市右京区の京北地域の伝統食「納豆もち」を復活させようと、農業生産法人「山国さきがけセンター」と共同で、100%京北産の素材にこだわった新商品「京北・杣人(そまびと)の里“納豆もち”」を開発しました。

道の駅「ウッディー京北」で納豆もちを販売する学生たち
道の駅「ウッディー京北」で納豆もちを販売する学生たち
京北・杣人の里“納豆もち”
京北・杣人の里“納豆もち”

 納豆もちは、塩で味付けした納豆を餅で包んだもので、京北地域では正月三が日に雑煮の代わりに食べられている郷土料理。集落によっては、黒砂糖で味付けするなど家庭によって味が少しずつ異なります。また、幕末期に京北地域で結成された農兵隊「山国隊」の兵糧に使われ、ずっと古くからは山仕事に関わる人々の携帯食として親しまれてきました。京北プロジェクト(景井ゼミ)では、2008年から、京北地域の地域資源の発掘とその活用方法を提案することで、地域経済活動をプロデュースするプロジェクトに取り組んでいます。これまで、京北地域での農商工連携の立ち上げを目指して、納豆の新ブランドを商品化したり(「りつまめ納豆」)、田植えから作った米で日本酒を開発したりしてきました(「和祝切符」)。今回は、藁つと納豆の発祥地との謂れがある京北の納豆文化をより広く発信し、併せて第6次産業の一翼を担うために、これまで地域の人にしか食べられていなかった納豆もちに注目し、ブランド商品に仕立てることに決めました。学生たちは、2014年度から納豆もちについての調査を始め、地元住民へのヒヤリングを重ねつつ案を練り、2015年度からは、第6次産業に取り組む農業生産法人「山国さきがけセンター」とのコラボで試作を繰り返して、今年の1月、商品が誕生しました。

試作品をつくる学生たち
試作品をつくる学生たち

今回の納豆もちは、一部の集落で食べられている、砂糖を中に入れたものを参考にしています。さきがけセンターと学生とで砂糖の量を調整し、若い人にもスイーツ感覚で楽しんでもらえるような商品にしました。また、京北地域の伝統食であるということを伝えるため、山村地域で林業を営む人をさす「杣人(そまびと)」を商品名にしました。パッケージや、商品を紹介するWEBサイトのデザインも、学生が手がけています。

 ゼミ生の渡邉智香さんは、「町おこしを学ぶためこのゼミを選んだ。商品開発やものづくりの実践的な経験ができた」、また秋田朋希さんは、「資源を資産に変える、ということを意識した。自分たちが地域と連携して開発した商品が経済価値を生み、町に元気になってほしい」と話します。
「京北・杣人の里“納豆もち”」は、1つ220円(税込み)。まずは京北地域の道の駅「ウッディ京北」での販売を開始し、衣笠キャンパスの生協購買での継続販売を目指しています。

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