立命館大学中東・イスラーム研究センター(CMEIS) 設置記念講演会

「新時代の中東・イスラーム研究を拓く 国際研究教育拠点設置の意義と抱負」を開催

立命館大学中東・イスラーム研究センター(以下、CMEIS)は、2019年11月4日(月)、衣笠キャンパス以学館2号ホールにおいて、立命館大学中東・イスラーム研究センター(CMEIS) 設置記念講演会「新時代の中東・イスラーム研究を拓く:国際研究教育拠点設置の意義と抱負」を開催しました。

 この講演会は同年10月のCMEIS開設を記念して企画され、160名を超える多くの研究者、学生、一般の方々が学内外から参加しました。中には、東京や仙台などの遠方からの参加者もいました。3名の立命館大学所属の教員が、それぞれ「イスラーム」「ジェンダー」「政治」の3つの異なるテーマで講演をしました。

 末近浩太(CMEISセンター長、国際関係学部・教授)の開会挨拶に続き、CMEISの設置の経緯や目標、活動内容についての紹介がありました。そこでは、日本における中東・イスラーム研究の新たな拠点を目指していくことが宣言され、研究の発展だけでなく、産学連携を含む社会とのつながりの強化、さらには、確かな知を備えた次世代の専門家の育成も推 進していくことが強調されました。

 続いて、最初の講演として、日本における中東・イスラーム研究の第一人者である小杉泰(立命館アジア・日本研究所所長・教授)から「研究という人生の喜び:中東・イスラーム研究の沃野から」というタイトルで、アラビア語の挨拶や文字の紹介を交えながら、この分野の研究者を志す若い世代に熱いメッセージを送りました。次に、鳥山純子(国際関係学部・准教授)が「外からの中東、中からの中東:中東ジェンダー学のススメ」と題し、自身のエジプトでの生活体験を語ることを通して、中東という異文化を探求し続けることの面白さと大事さを語りました。

イスラームについて講演する小杉泰教授
イスラームについて講演する小杉泰教授
中東ジェンダー学の講演をする鳥山純子准教授
中東ジェンダー学の講演をする鳥山純子准教授

最後に、末近教授が「『中東・イスラーム研究』とは何か:地域研究からの新たな挑戦」というタイトルで、中東の政治をよりよく理解するための方法と課題について、特に地域研究という分野からの視点で明快な解説をしました。

 3つの講演の後は、フロアの参加者による質疑応答の時間が設けられました。参加者からは、今後もこうしたイベントを通した情報発信を希望する声や、中東の政治を研究するためにはどこの大学院を選べばよいのかといった質問などが寄せられ、このたび新たに設置されたCMEISへの関心と期待の高さがうかがえました。

 中東・イスラーム研究は、何十年にもわたってその重要性が指摘されながらも、それを専門とするセンターや研究所は、日本全国の大学を見渡しても数えるほどしかありません。CMEISは、私立大学としては全国で3番目に設置された中東・イスラーム研究のセンターです。立命館大学の大規模総合大学としてのスケールメリットを活かしながら、さまざまな学部、研究科、研究所などに属する教員・スタッフの力を結集し、中東・イスラーム研究のさらなる発展に取り組んでいきます。

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