2020.06.04 NEWS

生命科学部金子光佑助教が研究助成2件の対象者に選定

 生命科学部 金子光佑助教が松籟科学技術振興財団2019年度(第37回)研究助成及び、双葉電子記念財団2020年度自然科学研究助成金の対象者に選定されました。

 公益財団法人松籟科学技術振興財団は、1983年に設立され、科学技術に関し調査・研究、及びこれらに対する助成を行うことで、全地球的な科学技術の振興に貢献するものです。財団では、化学、バイオ、電子材料分野に関する研究テーマについて助成を行っており、これまでには、ノーベル化学賞受賞へと通ずる研究への助成もされています。

 公益財団法人双葉電子記念財団は、公益財団法人として科学・技術の研究・開発を奨励することにより、産業の振興に寄与することを目的に活動を行っています。自然科学研究助成事業では、日本国内に所在する大学・研究機関の研究者を対象に、科学・技術の基礎研究並びに産業社会の基盤技術に於ける独創的また萌芽的研究テーマの中から、財団の設立趣旨に沿って選定され、研究助成金が贈呈されるものです。

助成対象の研究概要

・松籟科学技術振興財団2019年度(第37回)研究助成
「フローフォーカシングデバイスを用いた有機無機複合型球状液晶エラストマーの創出」
 本研究ではフローフォーカシングデバイスを用いて「球状」の液晶エラストマーを開発し、極小サイズのアクチュエータへの応用を図る。また、電場印加に依存した液晶分子の配向制御によって球状エラストマーを楕円形など異方的な形状に変化させることを目指し、モーターや大きな金属部品を必要としないスマートな新規ソフトマテリアルを創製する。さらに、粘土鉱物などのナノ構造を持つ無機物の添加によって無機ナノシートを複合化させた球状エラストマーを作製し、有機材料と無機材料の両特性を併せ持つ新材料を開発する。

・双葉電子記念財団 2020年度 自然科学研究助成金
「球状液晶エラストマーを用いた電場駆動ソフトアクチュエーション」
 本研究では報告例の極めて少ない「球状」の液晶エラストマーを開発し、微小サイズアクチュエータへの応用を図る。また、電場に対して応答性のよい形状変化が期待できる二周波駆動液晶を用いた球状液晶エラストマーの創製に加え、印加交流電場の周波数に対するエラストマーの変形量や変形に伴う応答時間に及ぼす材料構成成分の影響を検討し、官能基を持つ液晶モノマーと架橋剤の成分比を適正化する。さらに、球状液晶エラストマーの作製後、電場刺激により可逆的に粘度を変化させることができる電気粘性流体(ER流体)へ応用することによってアクチュエータへの実装を図る。

金子助教のコメント

 この度は2件の申請課題を採択していただき、財団関係者ならびに選考委員の方々に心より御礼申し上げます。
 私は、液晶材料の新産業分野創出の可能性を追求するために、電場印加による液晶材料の粘度変化(電気粘性効果)に注目し、日々研究を行っております。上記申請課題にある新材料により、大型機械やモーターによる機械的な駆動とは異なった液晶駆動によるしなやかなマイクロアクチュエータを実現させ、超精密化・超小型化が要求される次世代マイクロロボットや先端医療機器へ展開できればと考えています。

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