画像:SERIESリベラルアーツ「食のミライ」を開催

2021.10.05 TOPICS

「みらいゼミ」サマーセッション特別企画 “アクティブ・ブック・ダイアローグ®”開催

 立命館大学教養教育センターでは、三菱みらい育成財団の支援を受け、2021年秋学期より学生提案型ゼミ「未来共創リベラルアーツ・ゼミ」(通称:みらいゼミ)の募集を開始します。みらいゼミは、正課科目での学びから芽生えた関心事について継続的に学習する学生提案型のゼミで、学部・回生の異なるメンバーたちが、所属キャンパスも越境し、メンター役となる教職員の助言も重ねつつ、クオーター(約8週間)を基本とするサイクルで運営します。
 この「みらいゼミ」のスタートに合わせて、サマーセッション特別企画 “アクティブ・ブック・ダイアローグ®”(以下、ABD)と題したキックオフイベントを9月19日に行いました。立命館大学学部生30名限定かつオンライン上で、1冊の本をみんなで読んで語り合う、新しい読書法であるABDを体感的に理解すると共に、書物を通じた社会への関心を高めました。

 今回、お題として取り上げたのは、鎌田華乃子著『コミュニティ・オーガナイジング ほしい未来をみんなで創る5つのステップ』(2020年、英知出版)でした。「みらいゼミ」そのものがコミュニティ・オーガナイジングの実践ではないかと捉えた上での選書でした。

取り上げた1冊(中央)とファシリテーター山本さんも共同執筆された関連書籍

 ABDにはいくつかの方法があります。今回は事前に1冊の本を裁断し、参加者ごとに割り振られたページが郵送され、開催当日までに読み込んでおくという方法を選択しました。
 当日は、まずABD認定ファシリテーターの山本彩代さんからミニレクチャーが行われました。ABDの進め方の解説の他、効果的に読み込み、共有するために全員が守る約束としてグランドルールを設定する意義が説明されました。

 解説に続いて、20人によるABDが進められていきました。立命館大学のキャンパスがある大阪・京都・滋賀が緊急事態宣言中ということもあり、オンライン企画として実施されたため、読み込んだ内容の整理はGoogleスライドを共同編集していくこととしました。ただし、読書ノートを手書きで書く人もいるように、手書きでまとめる人にはA4版の用紙に太めのペンで記入し、それをスマートフォンなどのカメラで撮影してスライドに貼り付ける、という選択肢も示されました。

参加者全員で共同編集中のスライド

 オンラインでのスライドに直接書き込む人も、手元のA4用紙に書き込む人も、1枚を4コマに分割にしたフォーマットに、1コマ5行程度で自分が気になったことや重要だと思うことを書いていくことを基本としました。書籍10ページ程度を4コマ×5行=20行に要約するということで、要領よくまとめなければなりません。参加者は悪戦苦闘しながら30分かけて発表シートを仕上げました。そして、オンラインでのスライドの共同編集ということもあって、常に進捗状況が確認できるため、発表シートの整理の時間が若干延長されました。
 そして割り振られた順番に90秒で発表シートを説明していきました。山本さんがタイムキーパーとなり、自分が「大事だ!伝えたい!!」と点に焦点を当て、20人のリレーで「コミュニティ・オーガナイジング」の要点を深めました。
 結果として320ページの本を30分間のプレゼンテーションで読了することができました。そのあとは、ささやかな達成感を携えながら、4つのブレイクアウトルームに分かれて互いに感想を語りあいました。

参加者の皆さんから寄せられた質問(抜粋)

  • 相手に内容を伝えるため、しっかりと自分が理解しながら読むという感覚が分かった
  • 人と本の話をするのは楽しいなーと改めて感じた。
  • コミュニティ・オーガナイジングについて、今度は実践的に考えてみたいと思った。
  • 本は落ち着いたところで一人で読むものだと思っていたが、たまには誰かと話しながら読んでみるのもいいと思った。
  • 今回のような本の読み方は初めてだったが、私の担当した箇所が具体的だったため、専門的な用語をもっと深く知れる前半部分を読みたかったと感じた。今回参加して、分割して読む方法も面白いと感じたが、私には一人で読む方法が合っていると思った。
  • 参加する前はまとめるのが難しいかと思っていたが、思っていたほど難しくはなく、まとめることで自分の担当した章の理解が深まったと感じた。
  • 何か行動を起こしてみるということに対するハードルが少し下がり、具体的な組織を創っていくときのヒントに出会うことができました。
  • まずは読むということが大事ということ。読み込むのは読んでから始まるということを再発見しました。
  • 1人で読み、じっくり考えるのも良いのですが、今回のように要約を聞いて他の意見を取り入れながら内容を押さえることも効果的なのだと思いました。
  • スライドにまとめる際、なるべくシンプルにした方がいいのかと思いましたが、発表を聞いたり実際に発表してみると説明不足だったかなと反省しました。限られた時間内でいかに人に上手く伝えたいことを説明するかという点でいい勉強になりました。
  • 参加する前は読書会に少しだけ興味を持っていたが、参加後はまた読書会に参加したいと強く思いました。

 立命館大学教養教育センターでは2020年5月、立命館創始150年・学園創立120周年記念シンポジウム「自由に生きるための知性とは何か」の開催をきっかけに、「みらいゼミ」の他、連続セミナー「SEREISリベラルアーツ」を展開しています。また、昨年度のシンポジウムの際には、ジュンク堂書店の協力によるブックフェア「わたしをアップグレードする“教養知”発見フェア」も展開しました(選出図書等はこちら)。
 これからを生きるヒントは、現代社会の中だけでなく、古今東西の書籍の中にも見いだすことができます。一方で、SNSやインターネットの台頭により、1冊の本を1人で読み解くことは、苦手意識や負担感のある人も多いのでしょうし、読書は一人でするものといった先入観がある人もいるでしょう。
 「みらいゼミ」はABDも含め、一人の関心を共に紐解き、よりよい未来を共に創り出す学びと成長のコミュニティ・オーガナイジングの実践の機会です。ABDや「みらいゼミ」などにより、授業と併行した学習を始める、続ける、そうしたきっかけをそれぞれに見出していただけることを期待しています。

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