2022.10.18 NEWS

「地域資源を活用した有機農業の促進」に向けた共同実証を開始

SOFIX分析技術による“土づくり”を起点としたバリューチェーン構築を目指す

 学校法人立命館と株式会社SOFIX、NTT西日本グループ、ナガセケムテックス株式会社、シン・エナジー株式会社、株式会社タックジャパンは、コンソーシアム型共同研究契約を締結し、生命科学部の久保幹教授が開発したSOFIX分析技術による土壌分析、有機肥料の製造・販売を起点とした有機農業の促進モデルについて共同実証を開始します。共同実証期間は、2022年10月18日~2023年3月31日です。

 農林水産省は、地球温暖化、生産者減少等による生産基盤の脆弱化、新型コロナウイルスを契機とした生産・消費の変化などを背景に、持続的な食料の安定供給と農林水産業の発展を目的とした”みどりの食料システム戦略”を推進し、2050年までに日本の耕作地に占める有機農地面積を約25%(100万ha)へ拡大、有機物の循環利用や施肥の効率化・スマート化による化学肥料の使用量30%低減、といった社会の実現をめざしています。

 このような中、滋賀県での有機農業における持続可能な地域循環システムの実現に向け、水草・畜産排出物等の地域資源を活用した有機肥料の製造・販売、生産者と消費者をつなぐ販路マッチング等の仕組みを検討し、地域資源の有効活用から有機農作物生産、消費に至るまで、循環したバリューチェーンモデルの全国展開に向けた共同実証を行うこととなりました。

 地域の有機資源から新たな価値を創出し、地域経済の活性化や脱炭素に寄与する”食と農”の地域循環システムの実現には、バリューチェーンにおける各課題解決が必要であり、本共同実証においては、①SOFIX分析技術による土壌分析・施肥設計、②地域資源を活用した農業資材の製造・販売、③地域資源を活用した農作物の流通・販売支援、④地域循環型社会で活躍する有機農業人材の育成、⑤有機農業バリューチェーンにおけるデジタルトランスフォーメーションについて検証を行います。

SOFIX技術について

 生命科学部の久保幹教授が開発した土壌肥沃度診断(SOFIX)は、DNA 量を基に測定した土壌中の微生物量と、植物が吸収できる形に窒素、リンを変化させる土壌の力を数値化し、土壌中の物質の分解・循環を定量的に評価することで、最適な「土づくり」の科学的な処方箋を出すことに成功した世界で初めての手法です。
 SOFIX 技術では、土壌中の総細菌数など生物性の指標により、土壌の肥沃度の判定基準を設け、 個々の圃場について SOFIX の分析データを元にして、特 A~D までの 5 つのランキング評価を行っています。このうち、B 判定以上の土壌を、「SOFIX 認定土壌」として認定しています。
 堆肥品質診断(MQI:Manure Quality Index)は、SOFIX 技術を堆肥に応用し、堆肥の品質を科学的に評価する指標となります。 有機農法において、窒素、リン、カリウムなどの植物肥料成分は、主に堆肥によって供給されます。どんな堆肥を与えても良い訳ではなく、有機栽培に適した栄養成分をバランス良く含む完熟した堆肥を選択・投与することが重要です。
 MQI に適合した完熟堆肥を選択し、SOFIX に基づき適切に管理された有機農地で栽培することにより、高品質・高収量の農産物を確実に得ることができます。

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