日本質的心理学会「優秀フィールド論文賞」を受賞した神崎真実さん(文学研究科D3)

2016.10.05 TOPICS

日本質的心理学会「優秀フィールド論文賞」を受賞 神崎真実さん(文学研究科D3/日本学術振興会特別研究員DC2)

 この度、本学・文学研究科博士課程後期課程/日本学術振興会特別研究員DC2の神崎真実さんが、日本質的心理学会の2016年度「優秀フィールド論文賞」を受賞いたしました。

 対象となったのは、神崎さんがサトウタツヤ教授(総合心理学部)と共著で投稿し、『質的心理学研究』第14号に掲載された論文「通学型の通信制高校において教員は生徒指導をどのように成り立たせているのか─重要な場としての職員室に着目して」です。

「丁寧にフィールドにかかわったからこそ得られた知見」と高い評価

「(参与観察先の)高校の先生方に誘っていただいたのが今回の研究のきっかけ」と語る
「(参与観察先の)高校の先生方に誘っていただいたのが今回の研究のきっかけ」と語る
今年だけで学会発表4件(うち国際学会1件)を数えるなど精力的に活動
今年だけで学会発表4件(うち国際学会1件)を数えるなど精力的に活動

 同賞は、優秀な質的心理学研究や学会への貢献に対して授与される学会賞の一つで、主に「独創性」「質的心理学における価値」「当該専門領域における価値」「論文としての完成度」「今後の発展性」などを基準に選出されます。神崎さんの上記論文は、様々なニーズを持った生徒への対応を迫られる通信制高校の教員たちが、どのように生徒指導を行っているのか、その具体的な方法を、一年間にわたる通信制高校での参与観察を通して明らかにしたものです。学会からは「丁寧にフィールドにかかわったからこそ得られる豊かなフィールドノーツをもとにした分析は、非常に具体的で納得のいくものとなっており、実践上も有用な知見となることが期待できる」と高く評価され、今回の受賞に至りました。
 神崎さんは、「この論文は、2012年度に提出した卒業論文がベースとなっています。その後、大学院に進学したことで、学校教育、心理学、研究の方法論を深く学ぶことができました。今回の受賞は、参与観察を歓迎してくれた現場の先生方と、たくさんの助言をくださった研究室の方々のおかげです。」と受賞の喜びを語ってくれました。

色々な人が過ごしやすい学校づくりに関わりたい

神崎さんは本学文学部心理学専攻の出身
神崎さんは本学文学部心理学専攻の出身

 神崎さんは、本学文学部心理学専攻を卒業後、文学研究科博士課程に進学し、2015年に日本学術振興会特別研究員DC2に採択された新進気鋭の若手研究者です。現在は、不登校経験者・中途退学者等の受け入れ高校における生徒支援に関する研究を進めており、将来的には不登校者や中途退学者に限らず色々な人が過ごしやすい学校づくりに関わりたいと語ります。最近では、中学校での不登校対応に興味をもち、様々な支援の場に出かけるなど、精力的に研究の幅を広げています。
 また、学内の研究拠点である立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)人間科学研究所の研究プロジェクトにも参画するなど、本学が展開する先端的な研究にも貢献し、自身の研究ネットワークの拡大にもつなげています。今後の活躍がますます期待されます。

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