法学部の真髄授業「模擬裁判」

2016.12.06 TOPICS

法学部の真髄授業「模擬裁判」

法学部の真髄授業「模擬裁判」

 多くの大学の法学部で「模擬裁判」が行われていますが、立命館大学法学部で行なわれている模擬裁判は模擬裁判そのものを目的とするのではなく、法の実務を通じた「法曹を目指す学びの動機」を重視しています。そのため、学生たちが法学の道を歩み始めた2回生の前期セメスターという比較的早いタイミングで行われています。
 法廷での役割は裁判官、検察官、弁護人、被告人、証人の合計5つの役に分かれます。模擬裁判において学生がそれぞれの立場で考え、迷いなく発言できるように、学生が主体的に準備を進めるスタイルが特徴。教員は必要な助言を行う見守り役となる一方で、模擬裁判の指導には現役の弁護士として活躍する卒業生が関わります。裁判で争点になりそうな疑問点や矛盾などを現役の弁護士から問い掛けられることで感じる弁護士の矜持、倫理、職業意識。実社会での課題解決アプローチが今後の学びの動機につながっていることが立命館大学法学部での学びの真髄です。入念な準備を通じて、模擬裁判は模擬を超えて実際に行なわれる裁判へと近づいていきます。

法廷教室で行われる模擬裁判
法廷教室で行われる模擬裁判

本物さながらの雰囲気で行われる迫真の模擬法廷

 模擬裁判の準備はグループに分かれ1ヶ月をかけて行われます。裁判手続きや法廷のルールなどの実務を学びながら、裁判への入念な準備を行うことで自らの役割への没入感は高まり、裁判当日を迎えると法廷教室には現実さながらの緊張感が漂います。今回2016年9月に実施された模擬裁判では「恋人の浮気相手のアパートに放火した疑いで起訴された男性の裁判」という設定で行われました。模擬裁判では実際の裁判と同様、判決の結果は決まっていません。弁護人や検察官が証人から引き出した証言が裁判官にどのように評価されるかが、判決の行方を左右します。

弁護人冒頭陳述
弁護人冒頭陳述
弁護人被告人質問
弁護人被告人質問
検察論告求刑
検察論告求刑

 法学部のある衣笠キャンパスには「本物」の法廷があります。末川記念会館内「松本記念ホール陪審法廷」は1928年から15年間、京都地方裁判所で実際に使用された陪審法廷が戦後、完全な形で衣笠キャンパスへ移築されました。戦前の陪審法に基づく法廷は国内に2箇所しか保存されておらず、大変貴重な文化遺産となっています。また法科大学院のある朱雀キャンパスには最新の設備を備えた法廷教室があり、どちらも利用出来る法学部の模擬裁判は本物さながらの雰囲気の中で行われます。



松本記念ホール陪審法廷
松本記念ホール陪審法廷

法曹への志の原点になる模擬裁判

 「求刑通りの判決にならなくて悔しかった」「裁判長という役を通じて、モチベーションが上がった」「緊張して言いたいことが言えなかった」など、模擬裁判を経験した後の学生たちの想いは様々。法学部の仲間たちや現役弁護士の卒業生とともに悩み考え抜いた濃密な準備期間によって、判決を下す瞬間の緊張、判決後の喜びや悔しさを心に深く刻みこまれることが、立命館大学法学部の模擬裁判の大きな特徴です。
 模擬裁判を終えた2回生後期セメスター、学生たちは弁護士事務所での法務実習へと進み、いよいよ本学的に法学の道を進み始めます。模擬裁判を通じて得られた経験は、長く険しい法曹への道を乗り越えていく際のモチベーション、また、法曹となった後も自らの志の原点として生き続けます。立命館大学法学部の模擬裁判は、これからも法曹を目指す学生を支え続けます。

*判決の結果は、動画をご覧ください。



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