国際シンポジウム「稲盛経営哲学に基づく社会の実現に向けて」を開催

2016.12.20 TOPICS

稲盛経営哲学研究センターが国内外の研究者を招いて国際シンポジウム「稲盛経営哲学に基づく社会の実現に向けて」を開催

 12月8日(木)、立命館いばらきフューチャープラザのコロキウムにて、立命館大学稲盛経営哲学研究センターが第2回国際シンポジウム「稲盛経営哲学に基づく社会の実現に向けて」を開催し、国内外の研究者、企業関係者、学生ら計184名が参加しました。

 本センターは、稲盛経営哲学の「一般化」「普遍化」により、新しい文明の有り方を示すことを使命としています。 今回のシンポジウムは研究プロジェクトの成果を報告し、稲盛経営哲学に基づく社会とはどのようなものか、その実現の課題と方法は何か、「利他の心」に基づく社会とはどのようなものか、その実現の課題と方法は何か、「利他の心」に新たな文明の可能性とは、などをテーマに開催され、活発な議論が行われました。

 冒頭、本センターの稲盛和夫 名誉研究センター長(公益財団法人 稲盛財団理事長・京セラ株式会社名誉会長)が開会あいさつを行いました。稲盛名誉研究センター長は「現代社会は人間の欲望よりさまざまな問題が起きています。現代資本主義経済においては格差も拡大しています。調和と共生を目指すには、利他に基づく社会の研究を推進し、その成果の発信が不可欠です。今日はこれらの議論が活発におこなわれることを願っています」と述べました。

 続いて、楊壮 北京大学国家発展研究院教授、MBA/EMBA(BiMBA)院長が基調講演を行いました。楊教授は「中国企業の経営者のなかで稲盛経営哲学が急速に広がっています。稲盛経営哲学において重要な点は、人として正しいことをすることを強調していることです。正しいことをすることを説いているからこそ、稲盛経営哲学は中国企業にも受け入れられています」と述べました。 この後、午前の部では、中島隆博東京大学教授をはじめとする4件の研究成果の発表がおこなわれました。
 午後の部では、広井良典 京都大学こころの未来研究センター教授の基調講演、京セラ、JALなどを取り上げた7件の研究中間発表をはさみ、「稲盛経営哲学に基づく良い経営、良い社会実現の課題と方法」をテーマにディスカッションが行われました。本センターの青山 敦 研究センター長がコーディネーターを務めたパネルディスカッションでは、野中 郁次郎 一橋大学名誉教授など計5名ががパネリストとして参加しました。日本を代表する経営学者で、知識創造理論の生みの親として世界的に知られる野中氏は「稲盛経営哲学のイノベーションは道徳、利他にあります。これは、これまでの経営の考え方を根底から覆すものであります。稲盛経営哲学はマーケットを『競争の場』という対立構造ではなく、イノベーションの場でありエコシステムとして捉えて、単なる知識ではない、新しいものを作り上げて、スピーディに実践していくという考え方です」と述べました。
 最後に、青山センター長から講演者ならびに参加者への謝辞が述べられ、盛大な拍手のなかシンポジウムは終了しました。

稲盛和夫 名誉研究センター長
稲盛和夫 名誉研究センター長

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