山本尚先生(審査委員長、写真右)から表彰を受ける前田先生

 このたび前田大光・薬学部教授がBanyu Chemist Award (BCA) 2015(万有生命科学振興国際交流財団)を「超分子集合体を形成するイオン応答性π電子系の合成」という課題で受賞しました。この賞は日本の有機合成化学分野における若手研究者の独創性を喚起し、優秀な人材を育成することを目指して設立され、有機合成化学分野において優れた業績をあげ今後の発展が期待される40歳未満の若手研究者を表彰するものです。今年は前田教授を含め6名への受賞が決定され、12月5日にMSD(株)(旧万有製薬)本社において表彰式が行われました。なお、この受賞にあわせ、Thieme Chemistry Journal Awardも受賞しました。

 前田教授のグループでは、ピロール環などから構成される新規π電子系の合成を基軸として、その分子認識能や集合化挙動に焦点を当て、既存にはない電子・光機能マテリアルへの展開に挑戦してきました。受賞課題における独創性は、独自に開発したπ電子系を基盤とし、未開拓であったπ電子系イオンの配列制御を実現し、新たな分子集合体形態を提案したことにあります。とくに、実現困難である集合形態の寄与を明らかにした点は、分子集合体に対する新たな形成原理を与えるものとして、きわめて高い斬新性・革新性を有するものです。本受賞課題において新規骨格を有するπ電子系の設計・合成は非常に重要な要素であり、有機合成の意義を改めて示すことができました。

山本尚先生(審査委員長、写真右)から表彰を受ける前田先生
山本尚先生(審査委員長)から表彰を受ける前田教授(左)

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2015.11.27 TOPICS

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