ミニオープンキャンパス

山本障害学生支援室長
手話を交えながら挨拶する山本忠障害学生支援室長。コメントはパソコンテイクでスクリーンに表示される
質問
受験方式についての質問も
ゲーム
ゲームで盛り上がる参加者

 立命館大学障害学生支援室は2月21日(火)、京都府立聾学校(酒井弘校長)の生徒に向けた学生企画による『ミニ・オープンキャンパス』(衣笠キャンパス)を開催しました。
 障害学生支援室は、立命館大学に在籍する障害のある学生への支援を行う窓口として、障害学生へのサポートはもちろん、障害学生を支えるサポート学生、教職員をあらゆる面から支援しています。支援室には現在、各キャンパスを合わせて約50人の学生サポートスタッフが登録。障害学生を中心としたチームごとに、チームミーティングなどで情報を共有しながらパソコンテイクなどの授業支援を行っています。また、FD推進冊子『大学と障害学生』の制作や聾学校での放課後の学習支援活動などを通じ、障害についての理解を深めつつ、日頃の活動の気付きや適切な支援などに結び付けています。

平井嘉一郎記念図書館を見学
平井嘉一郎記念図書館を見学
「メディアアート」模擬授業の様子
「メディアアート」模擬授業の様子

 今回の『ミニ・オープンキャンパス』は、そうした日頃の活動を通じ、聾学校の生徒が「健聴者との接点が少ない」「これまで大学へ進学した先輩が少ない」などの理由から、大学に興味があり、進学したいと考えていながら「情報も少なく、やっていけるか不安」と漏らす生徒が多かったことなどを踏まえ、「もっと大学を身近に感じてもらおう」と、学生主体で企画しました。
 会には同校の中等・高等部から8人(男子3人、女子5人)が参加。開催に先立ち山本忠障害学生支援室長・学生部長から30年前に覚えたという手話を交え「今回の企画には大きくふたつの意味があると思っています。ひとつはみなさんに大学で学ぶ具体的なイメージを持ってもらうこと、そしてもうひとつが私たち大学側が、みなさんから具体的なサポートのあり方を教えてもらうことです。今後もこういった企画、機会を増やしていければ」とあいさつがあり、引き続いて、参加者・スタッフの自己紹介、平井嘉一郎記念図書館をめぐる学内ツアー、情報保障手段としてのパソコンテイクを知るためのゲーム、交流会、映像学部でメディアアートを専門とする望月茂徳准教授による模擬授業などが行われました。  模擬授業後半の音を色に変換する装置を使ったワークショップでは、楽器を鳴らしたり手を叩いたりしながら、音の高さや大きさによって変化する画像を見ながら、多くの学びを体験しました。

ワークショップ
音を色に変えるワークショップ
メンバー
左から進川、木村、森、筒井、和田さん

 初めて本学を訪れた参加者からは、「大学生と触れ合うことができ楽しかった」「大学についていろいろ聞くことができて良かった」「聴覚障害に対する対策や工夫がされていて安心して通えると思った」「大学内を見学するのは始めてで、教室の大きさや施設の凄さにびっくりした」「大学に行きたいと、これまで以上に思うようになった」「みなさんがゆっくりしゃべってくれたので、聞き取りやすかった」などの声が聞かれました。
 同校の酒井校長は「近年は医療、科学、ITの発展などもあり、聾学校でも普通校と変わらぬ教育を行っており、大学進学希望者も増えています。今回のような聾学校生向けのオープンキャンパスは初めて。施設・設備はもちろん、サポート体制の充実など、子どもたちも実際に大学を見て、学生や先生方と触れ合うことで、これまで抱いていた不安が解消し、大学進学が明確な目標に変わったと思います」と話し、こうした企画が広がることへの希望を寄せました。
 企画リーダーの森菫さん(映像学部2回生)は、「参加者から(サポートのあり方、やり方などについて)学ぶことも多く、とても参考になりました。初めての取り組みでもあり、楽しんでもらえるか不安もありましたが、参加者の笑顔、聾学校の先生方からも高評価を得ることができホッとしています。しかし、こうした活動はまだ始まったばかりです。今後も障害者サポートの充実につながる企画を考えることはもちろん、障害のある学生が安心して通える環境づくりに努めていきたい」と今後の抱負を話しました。

★『ミニ・オープンキャンパス』を企画した立命館大学障害学生支援室の企画学生(衣笠担当)
進川知世さん(産業社会学部1回生)
木村春香さん(国際関係学部3回生)
森菫さん(映像学部2回生)
筒井瑞季さん(映像学部1回生)
和田彩花さん(産業社会学部4回生)

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