第11回立命館白川静記念東洋文字文化賞表彰式を開催

2017.04.25 TOPICS

第11回立命館白川静記念東洋文字文化賞表彰式を開催

 4月22日(土)、第11回「立命館白川静記念東洋文字文化賞」(以下「本賞」)の表彰式を開催しました。
 本賞は、立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所が、故・白川静立命館大学名誉教授の功績を顕彰するとともに、東洋文字文化(漢字など)の分野における有為な人材を奨励支援するために、功績のある個人または団体の業績を表彰することを目的としたものです。第11回となる本賞では、優秀賞は笹原宏之・早稲田大学社会科学総合学術院教授、奨励賞は成田健太郎・東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄附研究部門特任研究員が受賞し、杉橋隆夫・白川静記念東洋文字文化研究所所長より、賞状および副賞が授与されました。受賞を受け、笹原氏は「今後も終わりのない漢字研究を続け、東洋文字文化の発展と、ひとつでも多くの漢字の真実を解き明かしたい」と受賞の喜びを述べ、成田氏は「原典を徹底的に読み込む白川先生の研究姿勢にこれからも学び、先生の名に恥じない研究を続けたい」と今後の研究への抱負を述べました。
 表彰式後には、研究成果・教育活動・地域活動など研究所の取り組みについての報告・紹介が行われました。

受賞者詳細 :
●立命館白川静記念東洋文字文化賞優秀賞(副賞金額30万円)
笹原宏之氏(早稲田大学 社会科学総合学術院 教授)
対象業績:国字の研究
受賞理由:対象業績は、国字に関する日本語学界初の体系的な研究書で、学術的に極めて高い水準にあり、これを超える研究成果は発表されていません。これらは、日本語学界における国字に関する誤解等を修正するもので、漢和辞典等の記述をより精緻なものにすることに貢献するものです。今後、さらに国字研究を発展することが期待されます。

●立命館白川静記念東洋文字文化賞奨励賞(副賞金額20万円)
成田健太郎氏(東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄附研究部門特任研究員)
対象業績:『中国中古の書学理論』および王羲之・顔真卿関連の論考
受賞理由:対象業績は、唐の張懐瓘による書論『書断』をベースとしながら、「勢」「訣」「風格」「筆勢」など、これまであまり取り上げられなかった視点から、深みのある考察を行っています。考察は、独創的かつスタンダードになりうる内容であり、今後、文字学・書道史を学ぶものにとって必読書となると思われます。

受賞の喜びを述べる笹原氏
受賞の喜びを述べる笹原氏
賞状を受け取る成田氏(右)
賞状を受け取る成田氏(右)

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