2021.06.24 TOPICS

理工学部・小西研究室がバイオケミカル応用が期待される微小液滴操作技術において、液滴どうしの空間接触(融合分離)技術における液滴選択的制御に成功

理工学部の小西聡教授等は、細胞レベルの薬物投与に有用な液滴選択的制御することに成功いたしました。

小西研究室では、半導体プロセスを利用したマイクロマシンの研究を続けています。今回の報告内容は、液滴の空間接触による物質操作に関する基礎研究の成果です。液滴の空間接触による物質操作では、基板上の微小液滴アレイに対し、対向基板上の微小液滴アレイを空間的に接触融合する液滴間の混合、反応、分離、抽出を実現する技術です。微小液滴アレイを上部と下部の基板に挟み薬物投与する技術においては、液滴アレイ全体を操作する場合に限られており、個別操作性が課題でした。

本研究では、個々の液滴を選択的に制御する方法を提案しています。微小液滴アレイと上部と下部の基板ペア間の液滴の単独制御に成功しています。液滴の高さを制御するEWOD(Electrowetting on Dielectric)技術開発とEWOD用の電極の開発と、4μlの液滴形成用の親水性-疎水性パターンからなる直径4mmの円形パターンの開発に成功しています。その結果、160Vまでの印加電圧でEWODによる液滴の選択的制御が可能となり、物質の接触と輸送を選択的に制御できることを実証しました。今回の成果は、細胞レベルでの先進的でハイスループットな薬物投与に有用な手法となるでしょう。

本研究成果は、2021年6月11日に英国科学誌Scientific Reports(オンライン版)に掲載されました。

 

論文情報
  • 発表雑誌:Scientific Reports
  • 論文名:Selective Control of the Contact and Transport between Droplet Pairs by Electrowetting-on-Dielectric for Droplet-Array Sandwiching Technology
  • 著者:小西 聡、大矢 力、山田竜大
  • 掲載URL:https://www.nature.com/articles/s41598-021-91219-x
  • DOI:10.1038/s41598-021-91219-x

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