絶滅寸前種「フジバカマ」の鉢植えを嵐電北野線全駅に展示

 立命館大学衣笠キャンパスの学生・教職員、近隣住民、京福電気鉄道で構成される「嵐電沿線フジバカマプロジェクト」は、「フジバカマ(キク科の多年生植物)」を鉢植えにし、10月2日(土)から嵐電北野線(帷子ノ辻~北野白梅町)の全駅に展示しました。

 多くの和歌に詠まれるなど古より親しまれてきたフジバカマですが、近年は自生に適した環境が少なくなり、京都府では絶滅寸前種に指定されています。そこで同キャンパスでは、フジバカマの保全をSDGsの目標15にある「生物多様性の損失阻止」に向けた取り組みとして、2020年に公益財団法人京都市都市緑化協会(京都市東山区)から苗を譲り受け、学生や教職員、近隣住人と連携し、フジバカマを栽培してきました。

 2021年には前年に「連携・協力に関する協定」を締結した京福電気鉄道、およびボランティア団体「嵐電沿線協働緑化プロジェクト」と連携し、「嵐電沿線フジバカマプロジェクト」を立ち上げ、同キャンパスのフジバカマを挿し芽で増やして育て、嵐電北野線の駅の緑化につなげるとともに、沿線地域(同キャンパスを含む京都市北西部地域)が一体となりでフジバカマの保全活動に取り組むことを開始しました。
 5月の挿し芽づくりには活動趣旨に賛同いただいた「源氏藤袴会」と「深草藤袴の会」からもフジバカマをご提供いただき挿し芽を作りました。また、7月には廃棄予定だった消防用ホースを再利用したプランターに育てた挿し芽を移し替える鉢上げ作業も行いました。

 その後、学生たちや教職員らが丹精を込めて育てたフジバカマは、8月末には60cmほどの高さにまで成長し、9月中頃にはたくさんのピンクのつぼみをつけました。

 そして花が咲き、渡り蝶アサギマダラが飛来し始めた10月2日(土)、約900本のフジバカマを嵐電北野線(帷子ノ辻~北野白梅町)の全駅に展示しました。花の見ごろを迎える10月10日(日)まで期間限定で展示しています。

 また同期間、学生が制作したポスターも駅に掲出し、地域が一体となったSDGsの取り組みについて情報を発信しています。

 今後も立命館大学では、生物多様性の保護に向けた地域と一体となった取り組み、ネットワークをさらに広げていきます。

等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅に飛来したアサギマダラ
等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅に飛来したアサギマダラ

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