ネパールで学んだフェアトレードと児童労働のリアル

 2017年の夏、「シチズンシップ・スタディーズⅠ『ネパールプロジェクト』」の学生たちはネパールに赴きました。この授業に自分の心にある何かを刺激された、学部も学年も性別も様々な彼らは、ネパールの農村や首都のカトマンズで、それぞれの地域課題と向き合う8日間を過ごしました。ポカラでは、農村女性が日々の生活を支える現金収入を得る手段として、手工芸品等の製造販売をすすめるNGO, Women’s Skills Development Organization (WSDO)を訪問。フェアトレード生産者の自宅や職場で手工芸品作りや農作業を共にしながら農村の暮らしの一端に触れ、組紐作りにあたふたしたり、雑草を粟と間違えて引き抜いてしまったり。そんな中で学生たちは、手工芸品のフェアトレードによって生産者が適正な収入をえることで、彼女たちの生活が改善すること、家庭や集落での立場がよくなるなどの気付きを得ました。

織物に興味津々
織物に興味津々
学校で子どもたちと
学校で子どもたちと

 ヒマラヤの山々を望み凸凹道を走ってたどり着いたダリット(社会経済的に最底辺に位置付けられるコミュニティ)の村では、子どもたちに教育の機会を与えようと住民主体で運営されている小学校の授業に参加。子どもや先生が当たり前のように口にした「学ぶために働く」という姿勢に驚きながら、交流を深めました。一方、首都カトマンズでは劣悪な環境で働き暮らす子どもたちが助けを求められる仕組みづくりと安心安全を得られる居場所、そして子どもたちが家庭に戻るための支援を行っているNGO、Chile Workers in Nepal (CWIN)のシェルターで、保護されている子どもたちと触れ合いました。ダリットの村とカトマンズのシェルター、子どもと彼らを支える大人たちが持つ多様な価値観に触れたことで、学生たちの間では児童労働を巡る議論が帰国後も続いています。

 最終日には、トリブバン大学アムリトキャンパスを訪問。待ち構えてくださっていた現地大学生と、ネパール地震の傷跡が残るキャンパスを見学し、新しく作られたプレハブの教室でグループに分かれて交流を楽しみました。

 帰国後、ネパールで出会った農村女性たちが作る手工芸品などを10月15日(日)に開催された大阪いばらきキャンパスでの学園祭で販売しました。たくさんの地域の方が訪れてくださり、準備した手工芸品はほとんどが完売。ネパール実習の様子を記録した映像や、メンバーが実習での学びを写真いっぱいに整理したノートを使って、訪れた方々に生産者の声を届けました。

大学生と交流
大学生と交流
OIC学園祭
OIC学園祭


 ただ学ぶだけではない、ネパールを体験した自分たちにしか紡げない言葉を伝える場を創りたい!ネパールでの8日間の体験、そこで出会った生産者の想いを伝えるためのフェアトレード販売について紹介する展示を、12月8日まで3キャンパスで開催しています。学生たちが紡いだ言葉を、映像を、ぜひ、ご覧ください。

<開催場所>
衣笠キャンパス 諒友館地下1階ROSSO
びわこ・くさつキャンパス スポーツ健康コモンズ1階「知るカフェ+」
大阪いばらきキャンパス A棟4階コンコース

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