未来への種まき

For sustainable growth

問題の連関を読み解き、研究と研究を橋渡しする

立命館大学
森 道哉教授
政策科学部

一番大切にしたいと思うゴールは?また、そう思った理由は?

  ゴール#12「つくる責任 つかう責任」

学部生時代に、京都議定書が採択されたCOP3(気候変動枠組条約第3回締約国会議)が開かれていました。様々な団体や政府が環境問題に

かかわっている様を目の当たりにしましたが、改善を求めてもうまく対処できない問題が多いのはなぜだろう、と感じていました。そうした関心は後に、博士論文「戦後日本の環境政治」につながっていきました。


問題の一例ですが、激しい公害は自身の「日常」から離れた場所で起こっているように思われるかもしれません。しかし、そこに住まう方の生活に思いをいたす、つまり自分事として想像力を働かせてみると、「非日常」と捉えがちなことも「日常」と密接に結びついていると感じられないでしょうか。一方、「日常」の方から見ると、たとえば廃棄物処理の問題を挙げられそうです。食品ロスは、日々の生活を支えるサプライチェーン全体で捉えることになりますが、その仕組み自体を覆すような大災害が起こり、がれきなどの廃棄物が急増したらどう対処するのでしょうか。


「日常」と「非日常」が重なり合う状況も含めて、時々の問題やその背景、また社会の構造を考えてみる必要があると思います。持続可能な生産や消費、またそれに伴う問題は複雑に連関していますが、どう解きほぐすと現状への理解が深まるのでしょうか。振り返ってみると、SDGs

示すようなことに関心を持って研究してきたのかなと思います。

これから取り組みたいことはありますか?

先ほど、問題の連関をどう捉えるのかという話をしましたが、SDGsではそうしたことを背景に、目標やターゲットが関連づけられています。

ただ、世の中は変動し続けていますし、SDGsを議論の到達点の一つとして尊重すると同時に、それを相対化する視点を持っておくことも大事だと思います。


科学や技術、学術が進歩するにしたがって、発見できるものが増えている反面、個別の知見を積み重ねることだけでは問題の複雑性に対処できないことも増えているのかもしれません。自分一人で研究できることは限られますが、皆さんと課題のつながりを立ち止まって考えたり、研究と

研究を橋渡しするような機会を共有できたら面白そうだなと思っています。

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