Ritsumeikan

RACE TO
CARBON NEUTRAL

立命館大学 びわこ・くさつキャンパス
理工学部新棟「トリシア(Tricea)」

実践的な教育を実現する、
上質な教材としての
環境教育棟づくり

〜BKC理工学部新棟
「Tricea(トリシア)」〜

環境省「CO2排出削減対策強化誘導型技術
開発・実証事業(2013年度)」採択案件

2014年5月にびわこ・くさつキャンパスに誕生したトリシアは、理工系の実践的な教育を実現し、建物自体を教材にするという新たな発想で建てられた環境教育棟です。トリシアには、企業の協力のもと、あえて天井のむき出しにした配管や高性能建築外皮タイルなど最新の省エネルギー・環境負荷軽減等の技術や設備、建築材料など、建築・環境関連の新技術を導入し、教員・学生が「被験者」となり、その効果検証や改善のための研究を進めています。今回は、トリシアに導入されている、最先端の技術・設備・建設材料をご紹介します。

  • 立命館大学BKC理工学部新棟「トリシア(Tricea)」の名前の由来について「Tricea」の「Tri」はTrinityから引用し、「教員・職員・学生」の一体や「産・官・学」の連携を表します。また、「cea」には「Communication(人々の交流や共感とそこから生まれる憩い)」、「Experiment(実験や新しい事への挑戦)」、「Acquisition(知識・学問の習得)」の意味が込められています。

快適性を追求しながら省エネ・節電を
実現するパーソナル空調システム

空調機1台で複数の人が執務・居住する空間をコントロールする時は、人によって「暑い」「寒い」の感じ方が異なり、満足のいく温熱環境が実現されません。今回取り入れたパーソナル空調システムは、居住者それぞれに吹出ユニットを設置し、パソコンなどから個人の好みに応じた吹出気流をコントロールできるもので、快適性の向上とともに、省エネ・節電に寄与できます。

再生可能な自然エネルギーによる
総合的発電システムの開発

風向によらず、わずかな風でも回転する垂直翼式小型風力発電システムをトリシア屋上に設置し、風況や発電性能の計測を行っています。また、トリシアから出る生活排水や屋上に降る雨水の位置エネルギーを利用したマイクロ水力発電技術を開発し、発電性能や有効性を検証します。将来的には太陽光発電を含め、種々の自然エネルギーにより創生された電力のハイブリッド化を図り、人と地球にやさしい発電システムの確立に取り組みます。

壁面緑化システムの開発

「信楽焼タイルの製造技術による外壁冷却タイルの開発」(経済産業省地域イノベーション創出研究開発事業)で開発した打ち水タイルは、外表面塗布の釉薬による打水機能を付加し、タイル表面に打ち水した水を拡散させ、均一かつ効率よく外壁を冷却することができます。今回、トリシアではこのタイルを使用した壁面緑化を図り、景観デザインに活かしています。また再生水利用や、軽量コンクリートにタイル施工面を予め立体成型し、アルミレールを不要とする工法などの検討を行い、低コスト化の検証も行います。

太陽熱・地中熱利用

地中熱や太陽熱を空調に利用するために屋上に配管を巡らし、地中にも配管を埋設して、配管とポンプのみで室内の温熱環境を良好に保つ新しいシステムを導入しました。太陽熱と年間を通じて15~18℃程度の地中温度をそのまま利用することから、「夏は地中にいるように涼しく、冬はサンルームのように暖かい」地球に優しい冷暖房システムの研究を行っています。

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