立命館大学大学院法学研究科は、法学および政治学の研究者を養成することを目的に1950年に設置されました。2025年度からはコース再編を行い、当初の目的を引き継ぐ「研究コース」をはじめとして、企業法務等のスペシャリストや司法書士・税理士などのいわゆる準法曹や、国家総合職や裁判所事務官をはじめとする公務員を志望する者を対象とする「リーガル・スペシャリスト・コース」、そして学部での学修をベースに法学や政治学の特定のテーマを学問的に深めることを目指す者を対象とする「法政リサーチ・コース」という、3つのコースを提供します。法学研究科では、このような形で専門的研究を志す皆さんの多様なニーズに応えるとともに、高度な専門性を活かして社会に貢献できる人の輩出に努めてきました。さらに最近では、東アジアの有力な大学の大学院と協定を結び、大学院生の積極的な海外交流を進めて、国際化の要請に対応しようとしています。

法学研究科の特色は、高度で専門的な教育内容を修得してもらうために、少人数教育を基本として、双方向型の授業を行う点にあります。それによって、院生と教員の密接なコミュニケーションを図ることにより、個々の院生の多様な関心に対応したきめ細かな指導がなされています。こうした授業環境を通じて、法学および政治学の専門的知識がより高度なものとなり、皆さんの専門的スキルや考察力が確実に向上していくものと確信しています。

また法学研究科では、院生の修了後の進路が準法曹や公務員、あるいは民間企業の法務部門など多様化する中、各職業分野で活躍するための実践的な能力開発にも力を入れています。「リーガル・スペシャリスト・コース」では、「ビジネス法プログラム」、「税務プログラム」など修了後の進路に応じた科目群を履修モデルとして提供するのみならず、企業や会計事務所等での法律関係業務を体験実習する「法務実習」という科目も用意しており、キャリア志向に対応しています。「公共法務プログラム」では、公務員を志望する院生のニーズに応えた科目を開講しています。「法政リサーチ・コース」では、「法学プログラム」と「政治学プログラム」を提供し、院生それぞれの関心に応じて様々な領域での研究を追究できます。25年度改革では、政治学科目をさらに充実させています。

皆さんが法学研究科に入学され、特色ある豊富なカリキュラムを活用して研鑽を積み、高度な専門性を活かして社会で大いに活躍されることを心から期待します。

立命館大学大学院
法学研究科長

渡辺 千原