立命館大学 経営学部

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2023/03/20 教育・研究

2022年度プロジェクト研究(GBL型)– German-Japanese Spring Schoolを実施しました!

概要

「地域新電力会社の経営課題」について学ぶプログラムを立命館大学のRAUPACH SUMIYA Jeorg教授と、ニュルティンゲン・ガイスリンゲン経済環境⼤学のCARSTEN Herbes教授が準備してくださいました。期間は2023220日~34日の2週間で、場所は大阪・東京・福島の3県が拠点となりました。環境問題に関心を持つ立命館大学の経営学部生8名、ドイツのニュルティンゲン大学とホーエンハイム大学の学生8名の計16名で共同研究を行いました。

 

学習内容

一週目は大阪茨木キャンパスにて、講義、ポスターセッション、専門家や企業へのインタビューを通じて「日本の地域エネルギー会社の経営課題」に関する理解を深めました。参加者が8カ国の背景を持っていたため、異文化協力を促す授業や様々なアクティビティーも開催されました。学習内容を踏まえて日独の学生一名ずつがペアを組み、インタビュー内容の分析をMAXQDAというソフトウェアやExcelを用いながら行いました。

二週目は東京に移動し、ドイツ大使館や地域新電力企業、ISEP(環境エネルギー政策研究所)の訪問を通じて、日本における再生可能エネルギーの普及とその課題について学びました。

翌日は福島に移動し、3日間かけて福島第一原子力発電所や中間貯蔵施設、東日本大震災・原子力災害伝承館、被災地等を訪問しました。被爆により非難を余儀なくされた方々から直接お話を伺う機会もありました。又、福島県の活発な再生可能エネルギーの取り組みについても、企業訪問や再生可能エネルギー(太陽光、水力、地熱)の発電所への訪問を通じて学びました。原発事故による甚大な被害を受け、福島県がどのように再生可能エネルギーを取り入れるようになったのかを知ることができました。

最終日は東京キャンパスにて研究の成果をまとめました。山口豊アナウンサーがスペシャルゲストとして来てくださり、最終発表に対するフィードバックをしてくださいました。


異文化交流

 プログラムを通してドイツの学生との交流の機会も沢山設けられていました。

プログラム初日に行った大阪ストリートフードツアーでは、大阪ならではの食べ物を日本側の学生がドイツ側の学生に紹介していました。ドイツの学生も日本食に興味津々で、たこ焼きやお好み焼きなど、初日から日本文化に触れようとする姿勢が見られました。

4日目に行われたジョイントクッキングでは、日本食やドイツの伝統的な料理だけでなく、マレーシアや中国、パラグライの家庭料理も食卓に並びました。8カ国もの多様な文化が一度に味わえるその日の夕飯は、学生同士がそれぞれの料理の文化背景を共有しながら楽しみました。

 

お互いの文化や考え方を共有する機会がプログラムとしても多かったため、その分、学生同士の距離が近づくスピードが早かったように感じます。プログラム開始数日でドイツチーム、日本チーム関係なく休み時間に一緒に出かけたり、休みの日には京都や東京に遊びに行ったりしました。

 

福島県訪問では、言語の壁を超えて感情を共有することができ、より心の繋がりが深くなったように感じます。参加学生の中には東日本大震災・原子力災害伝承館に展示されている大震災の記録を辿るうちに、思わず涙を流してしまう人がいました。そのような時には、ドイツ側学生、日本側学生関係なく、そっと側に寄り添う姿が印象的でした。

日本で起こった大震災を自分たちのことのように捉え、考えるドイツ側学生と、自分たちが経験したことを振り返り、現実を改めて目の当たりにした日本側学生。立場は違えど、どちらも過去の凄惨さから学び、未来のために自分たちが何ができるか深く考えるきっかけとなりました。

大震災から12年が経とうとしている今、ドイツと日本の学生が日本でこうして出会い、同じ課題について考える機会が持てたことをとても嬉しく思うのに加え、このプログラムを企画してくださったRAUPACH SUMIYA Jeorg教授、CARSTEN Herbes教授、立命館大学の方々に深く感謝いたします。


(報告:経営学部 山田千尋、サキハマジェイニー永遠)