研究・産学官連携ニュース

2015年06月のニュース

2015.06.24

内田慎哉・理工学部環境システム工学科講師が公益社団法人土木学会から論文賞を受賞

このたび、立命館大学理工学部・内田慎哉講師が土木学会において論文賞を受賞しました。この賞は、土木学会誌、土木学会論文集、その他土木学会の刊行物に研究、計画、設計、施工、考案などに関する論文を発表し、独創的な業績を挙げ、これが土木工学における学術・技術の進歩、発展に顕著な貢献をなしたと認められる優秀な著者に贈られる賞です。内田講師のグループは、実橋梁PC桁の横締めPC鋼材を対象に、衝撃弾性波法と電磁パルス法を併用して、PCグラウトの充填状態を非破壊で評価する方法を提案しました。

■受賞研究内容
「実橋梁PC桁での非破壊試験によるPCグラウト充填評価方法に関する研究」 ポストテンション方式のPC構造物におけるPCグラウトの充填状態を非破壊で評価する手法としては、これまでにX線法、超音波法、衝撃弾性波法などの研究が行われてきていますが、未だ、実構造物に対して有効な診断手法がないのが現状です。この問題に対して、本論文は、供用中の橋梁PC桁を対象に、横締め鋼棒用シース内のPCグラウトの充填状況を評価する手法として、衝撃弾性波法および電磁パルス法の2種類の非破壊試験を併用する方法を提案したものです。本手法では、PCグラウト充填状況のスクリーニングに衝撃弾性波法を用いた上で、詳細調査の方法として、受賞者らが開発した磁気的な方法により対象シースを加振する電磁パルス法を組み合わせることで、効率よく、しかも適確にグラウト未充填箇所を特定することに成功しています。提案手法は高い新規性があり、独創的な発想に基づく極めて有用性の高い診断手法です。

■受賞理由
この論文で提案されている手法は、長く未解決であったPCグラウト充填状態の非破壊評価の問題に対する極めて有望な診断手法となること、また社会インフラの維持管理・更新が重点課題と位置づけられる状況の中で、供用中の実構造物を対象とした実践的な研究成果は時宜を得たものであり、この重点課題を解決に導くことができます。構造物の診断手法を開発する上で、今後の新しい研究スタイルの一つのモデルとなり得るものであることが評価され、論文賞に選ばれました。

■詳細
公益社団法人土木学会 平成26年度論文賞
http://www.jsce.or.jp/prize/prize_list/p2014.shtml#s04
「実橋梁PC桁での非破壊試験によるPCグラウト充填評価方法に関する研究」
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造),Vol.68,No.4,pp.238-250,(2012)
鎌田敏郎(大阪大学)、内田慎哉(立命館大学)、角田蛍(大阪府)、佐藤浩二(東海旅客鉄道株式会社)

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2015.06.05

飴山惠・理工学部機械工学科教授が粉体粉末冶金協会において研究功績賞を受賞

飴山先生受賞

このたび、立命館大学理工学部・飴山惠教授が粉体粉末冶金協会において研究功績賞を受賞しました。
この賞は、粉体・粉末冶金に関する優秀な研究業績があり、永年に渡って行った一連の研究の内容が優秀な研究者に贈られる賞です。

高強度・高靭性材料創製のための調和組織制御法に関する研究

飴山教授は、粉体の超強加工による微細組織制御法の研究を行い、新しい高性能構造用材料「調和組織材料」の創製法を提案しました。調和組織材料は立命館大学で生まれた、構造用材料で不可欠な「強さ」と「ねばさ」を両立する画期的な材料です。三次元の微細粒ネットワーク構造によって局所変形が抑制され変形が均一に起こること、材料の塑性不安定開始がより高ひずみ側で起こり、その結果、結晶粒微細化強化と同時に大きな均一伸びが発現し、高強度と高延性・高靭性が両立することを世界で初めて明らかにしました。調和組織材料は、現在、国内だけでなく、フランス、イタリア、スエーデン、中国、タイ、インドなどの海外の多くの研究機関においても活発に研究が進められています。

  • (社)粉体粉末冶金協会 平成27年度春季大会
    http://www.jspm.or.jp/program.html#3-1
  • 2015年5月26日(火)~28日(木)早稲田大学 国際会議場にて開催
  • 講演者:立命館大学理工学部 飴山惠教授
  • 演題:「高強度・高靭性材料創製のための調和組織制御法に関する研究」

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