STORY

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[メディア情報コース]

「面白そう」「やってみたい」
そんな気持ちが重なって
文化財デジタル保存の道へ。

山田 祐里YAMADA Yuri

情報理工学研究科 情報理工学専攻 人間情報科学コース 博士課程前期課程1回生
(情報理工学部 情報理工学科 画像・音メディアコース 卒業)

PROFILE

大阪府出身。高校生の時に動画でCGに興味を持ったのが情報理工学部を志望するきっかけ。絵を描くのも好きで、今も研究の合間に液タブで自由気ままに描いている。

文化財の複雑な立体構造を
デジタルで可視化する新手法を開発

私の研究テーマは、文化財を3次元計測したデータを使って、その複雑な立体構造を半透明で可視化する新しい手法の開発です。従来の手法には、線が集中している部分ではどちらが手前なのか奥なのかがわかりにくいという難点がありました。私が開発しているのは、色のグラデーションを使うことによって立体構造を把握しやすくする手法。色のさまざまな成分を変えながら、どうすればよりわかりやすく可視化できるかを追求しています。

情報理工学部に進学したのはCGへの興味から。「面白そう」「私もやってみたい」の気持ちだけで、プログラミングも未経験でした。今、研究ではC++というプログラミング言語を使っています。同じ研究室でもVRの研究にはUnityというゲームエンジンを使うので、C#を使う人が多いようです。1回生で汎用性の高いC言語をしっかり学ぶので、未経験でも全く問題ありません。

現地でのフィールドワークにも
積極的に参加しています

田中先生と李先生の研究室を選んだのは、文化財を扱うなんて面白そうだと感じたから。子どもの頃から両親に連れられてよく神社仏閣巡りをしていたので、文化財を見るのは好きだったんです。研究室に入ってすぐ、奈良県にある當麻寺の東塔を3次元計測するフィールドワークに参加。通常は立ち入り禁止の国宝の建物です。計測の様子を見学しただけでしたが、先生や先輩の研究内容を現地で垣間見ることができました。その後、徳島城博物館と徳島大学に所蔵されている鎧の3次元計測にも参加しました。

文化財を扱う研究なので、いろいろなところに出かけられるのが楽しいです。インドネシアのボロブドゥール寺院の複雑な石の彫刻を、さまざまな方向から可視化する研究をしている先輩もいるんですよ。

研究室では、みんなで話しながらそれぞれの作業をしていることが多いです。質問や相談もしやすい雰囲気。先生もすごく力になってくださいます。

ここがスゴイ!

私の研究室

My Laboratory

CGとVRの研究をする研究室なので、VRの研究に必要なゴーグルやVR空間を歩くことのできる設備もあります。大学生には手が届かないようなスペックのコンピュータを個人用として使えるのもありがたいですし、さらに処理速度の速い500GBの共用パソコンもあります。

VRゴーグル

VR内歩行デバイス

大画面ディスプレイ

立体視ディスプレイ

在学中の目標は
国際学会での英語発表

1、2回生の頃は、オンライン授業主体だったこともあり、勉学に対してあまり意欲的になれていませんでした。でも卒業研究が始まると、「何の役に立つの?」と思っていた授業内容が「ここにつながるのか!」とわかるのも面白くて、モチベーションがぐっと高まり、さらに専門性を高めたくて大学院にも進学しました。

今は、祇園祭の山鉾のひとつである船鉾の一部を、自分で計測し、自分で開発した手法で可視化する実験を行っているところです。研究の楽しさは、狙い通りの効果が出るなど、成果が目に見えること。在学中に国際学会で研究発表するのが目標です。将来は、文化財を半永久的にデジタル保存・公開できるようにするデジタル・アーカイブの技術者になりたいと考えています。

教えて!先輩

私の学生生活

Question
Q

アルバイトはしていますか?

A

個別指導塾の講師

生徒を指導するのはとても楽しいです。コミュニケーションに苦手意識があったのですが、少しずつ克服できているように思います。生徒から「なんのために勉強するの?」と聞かれることもあるので、自分の研究について話すこともあります。

研究の合間にタブレットで絵を描いたりします。

絵を描くことがリフレッシュになります。

音楽もよく聴いています。

Message

情報理工学部を目指すみなさんへ

活動範囲を自由に広げるチャンスがあるのが大学。受け身でいるとただ時間が過ぎ去っていってしまうので、授業以外にも興味があることに積極的に参加してみてください。