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TOPICS & EVENTS

02.17

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2023

2022年度経済学部ゼミナール大会を開催しました

230217zemitai

ゼミナール大会は、2020年度、21年度と、コロナ禍のためオンラインで実施してきましたが、今年度2022年度は三年ぶりの対面開催になりました。今年度は参加チーム数124チームまで回復し、123日の分科会当日は、三百名余りの学生のみなさんが日頃の研究成果を発表しあいました。さらに、経済学部の学生のみなさんや附属校のみなさんにも広く視聴してもらえるよう、初の試みでしたが、分科会は全会場の模様をZoom配信するハイブリッド開催とすることになりました。
 1221日、三回生以上の参加チームのうち、論文と分科会発表の点数合計の上位9チームの優秀賞受賞チームが研究発表を競いました。どれも日頃の地道な研究と、発表の練習の成果がいかんなく発揮された、すばらしい研究発表でした。
 その中から次の2チームの最優秀賞を選考いたしましたので、ご紹介いたします。
 紀國ゼミタイヤ業界班「ブリヂストンはなぜサブスクリプション型戦略を採用するのか」は、ゲーム理論モデルを用いて、タイヤ業界に現実に見られる二戦略企業並立のナッシュ均衡が成立する条件を探り、現実との整合性を検証したものです。周到で適切に構成されたモデルを、それでも生じる煩雑さをいとわずきっちりと解析している見事な分析でしたが、単に現実に見られる戦略がとられることをモデルで説明したにとどまらず、社会的厚生分析に取り組んで、努力の末に明瞭な結論を得ているところが高く評価されました。しかも世上関心が高い環境問題にかかわる厚生分析である所が特筆されます。経済研究が本来目指す社会問題解決の姿勢の明瞭さが群を抜いた点が選考の決め手になりました。
 細谷ゼミ農業水利史班「歴史的視点からみた滋賀県の農業水利」は、滋賀県の農業水利史を概観しつつ、特に、昭和恐慌後の時局匡救事業から始まる水利事業に焦点をあてて、その効果を検証したものです。用いられた史料は、公的統計はもちろん、閲覧に申請を必要とする歴史的公文書や小学校の文集までも含む、一次史料やそれに近い膨大な史料であり、客観データを精緻に示す議論に、当時の生活の当事者の具体的な証言が加わって議論に立体感を持たせる、学部学生水準を明らかに超えた見事な研究でした。
 優秀者発表会の発表には、コロナ前からの「常連」分野とも言うべき、ゲーム理論や経済史や経済実験の研究が並びましたが、コロナ前の「常連」でも今回は入らなかった計量研究や現場のケーススタディの研究にも、本来入ってもおかしくないものが見られました。そのほかにもたくさんの優秀な論文、着眼のおもしろい論文を目にしています。優秀賞に入るかどうかはたまたまの運の要素も大きいので、今回選ばれなかった人たちも、勝ち負けを意識することなく、自ら選んだ課題に取り組んで成果を出した経験を、これからの人生の糧にしていただきたいと思います。

過年度の実施の様子はこちら

経済学部のパンフレットでは、P.3 *において、学生がゼミナール大会で発表した多様なテーマを基に、体験談が掲載されています。
*冊子左下のページ番号

 

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