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01.11

PEOPLE

2024

投資判断・企業分析の大会であるCFA協会リサーチ・チャレンジの日本大会で優勝し、アジア小地区大会への進出が決まりました

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CFA協会リサーチ・チャレンジとは、大学生で構成されるチームが金融業界で働く現役のプロの指導のもとで企業分析を行い、その調査・分析内容の優劣を競う大会です。今回は経済学部生で構成されるサークル、「経済学AI研究会 マシンエコノミクス」のメンバーが活動の一環で参加し、「味の素株式会社」の株を対象にBUY/HOLD/SELLを主張したレポート・プレゼンテーションを行い、日本大会で優勝を果たしました。

参加者である4回生の宍戸勇斗さん、坂本龍樹さん、濵田凌さん、1回生の井野誠大さん、原田裕章さんに参加経緯や学んだことを伺いました。

●CFAリサーチ・チャレンジで努力したこと、大変だったこと

宍戸:私が努力したことはチームリーダーとしての進捗の管理です。今回は1回生と4回生の混成チームで参加したため、チームメンバー間で知識や経験に差がある中での作業でした。また私自身も合計20ページにわたる英文の企業調査レポートを作成した経験はなく、コーポレートファイナンス、バリュエーション(※)の知識もあまりない状態でした。この様な状況のもとで、私がフロントランナーとして積極的にバリュエーションや分析フレームワーク等の知識を身に着けることを意識しました。
 大変だったのは、チーム内での認識や意見のすり合わせと最後の仕上げです。提出日の前日は朝の7時まで最終チェックとレイアウト修正を行っていました。各々が分担して調査や執筆を進めており、認識にズレが生じたり知識の共有が上手くいかなかったりすることもありました。また楽観、通常、悲観の3シナリオに基づき3パターンの予想財務諸表を作成し、各々のシナリオでバリュエーションを行ったことも大変でした。これにより他のチームの3倍の作業量となり、一時はシナリオを3つ立てたことを後悔しました。大変な作業ではありましたが、これらのこだわりが優勝につながったのだと考えています。
※バリュエーション(企業価値評価):企業価値を算出して評価する行為

坂本:努力したことは、レポートの説得性と論理性を如何に担保するかということです。過去の「味の素」の有価証券報告書(※)を15年分ほど読みながら、商品についての市場分析を行ない、「味の素」の特性や強み・弱みなどを網羅できるようにしました。それらを踏まえた上で、盛り込みたい内容を取捨選択しながら、評価項目の配点比率なども加味し、戦略的にレポート構成を練りました。既定のページで1点でも多く点を取りに行くため、幾度となく全体の構成を見直しました。
 大変だったことは全てです(笑)。タスク管理、レポート構成やプレゼンをはじめ、スケジューリングやストーリーの方向性、些細な言い回し、英訳の単語など、あらゆる側面で常にメンバーと議論をしました。妥協せず意見を言うことで納得の行くまで議論を重ねることが可能となり、最終的にチームの色を出したレポートやプレゼンを作り上げることに繋がったと思います。
※有価証券報告書:株式を発行する上場企業などが開示する企業情報であり、企業の概況、事業の状況、財務諸表等が含まれる。

井野:努力したことは、個性とチームワークの両立です。CFAリサーチ・チャレンジは3、4年生や大学院生が出場するような大会であり財務分析やESG(※)に関して学部1年生の知識量では不足していることをすぐに理解しました。故に1年生らしい面白い視点でリサーチし、積極的に先輩方をフォローするように心がけました。その取り組みの一つが、たまたま訪れたカンボジアでの現地調査です。現地調査から得られた見解や分析を何度も先輩方に提案しました。
 大変だったことは、プレゼンテーション発表の当日です。東京駅の目の前にあるビルの高層階でスーツを着て金融のプロを相手に英語でプレゼンしたので、気分の高揚とともに緊張感がありました。発表前の控室では落ち着かず、ずっと歩き回っていました。
ESG:Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)の頭文字であり、今まで財務情報に記載されず、投資判断に用いられることがなかった企業の「非財務情報」への対応を示す指標、もしくは「非財務情報」の改善を促す標榜。

●CFAリサーチ・チャレンジ最終審査会の感想・学んだこと
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宍戸:私が最終審査会で学んだことはプレゼンテーションの演出と反復練習の重要性です。控え室での練習はもちろんのこと、行きの新幹線や前日のホテルの露天風呂でもリハーサルを行いました。その甲斐もあり、本番後に審査員の方からは「パッションを感じた」と評価していただけました。カンボジア現地で購入した「味の素」を掲げながらのプレゼンは、大変印象的であったと思います。

濵田:最終審査会で学んだことは、プレゼン資料を簡潔にまとめること、自分の伝えたい内容を整理することの大切さです。10分という短い発表時間の中で、自分の意見を端的かつ論理的に、そして英語で話すことは至難の業でした。それでも、チームメンバーと相談しながら、相手に何を伝えるかという発表の軸を明確にし、自分の意見をまとめることができました。

井野:この大会を通して財務や分析の手法など知識の部分から、チームの良さを最大限に引き出すための組織運営における大切なことまで、実務に関する多くのことを学び、経験することができました。大会期間中は、金融業界で働く現役のプロフェッショナルからリアルな視点で指摘を頂けることにいつもワクワクしていました。日本大会を勝ち抜いたことで、プロから指導を受ける機会が増えたことが今は一番嬉しいです。

原田:この大会を経て、レポートやプレゼンテーションを通じて人に何かを伝える方法について、より深く理解を深めることができました。自分たちの分析を信じて、それを図や表を用いてわかりやすく論理的に説明していく方法を学びました。

●サークル経済学AI研究会 マシンエコノミクスの紹介

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宍戸:経済学AI研究会 マシンエコノミクスは2年半ほど前に私が設立したサークルです。当初はAIや機械学習を経済学に活かす事をテーマに活動していましたが、今では機械学習やデータ分析以外にも経済学、ファイナンス、アプリ開発等、幅広いテーマの活動を行っています。本サークルではCFA協会リサーチ・チャレンジの他にもデータ分析コンペティションへの参加等様々な活動をしています。この記事を読んでくれた方の中に、当サークルに興味を持ってくれた人がいれば幸いです。
 

井野:いま立命館大学で一番勢いのある、設立3年目の新進気鋭のサークルです!経済学やファイナンス、統計やデータ分析、アプリ開発などAIに関わる幅広い分野に関して、大会への出場や自主学習、グループ学習を通じて将来役立つスキルを身に着けることができます。さらに現在は、他のサークルと勉強会の計画を立てる等活動の幅を広げています。学術系のサークルは一見とっつきにくく思えますが、私たちのサークルはみんな明るい雰囲気で楽しく活動しています!メンバーはいつでも募集中です! 

文責
経済学部4回生 宍戸勇斗、坂本龍樹、濵田凌
経済学部1回生 井野誠大、原田裕章

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