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03.18

PEOPLE

2024

一週間の台湾研修を経て

2024年2月下旬、7泊8日の台湾研修に出掛けました。
 宿舎が所在する中央研究院は、広大なキャンパスを誇る国家アカデミーです。自然が豊かであり、日本では見かけない動植物をたくさん見つけることが出来ました。
 以前はエリートと市井人との交流を防ぐため、故意に都心部から隔離した感があるほど不便な場所だったそうです。現在では、徒歩2030分圏内に商店街や地下鉄駅も整備され、利便性は良くなっています。キャンパス内にはたくさんの博物館もあり、また図書館も市民向けに開放されていました。散策する近隣住民も多く、非常にのどかなアカデミアだと思いました。
240318taiwan 1(姉妹校である国立台湾師範大学正門)

「学生との交流」

 姉妹校である国立政治大学では、日本語学科の学生と親しく懇談する機会を得ました。ざっくばらんな会話の中で、日本のポップカルチャー、サブカルチャーが海外でも人気があると身をもって感じることができました。
 他国の文化を知ることで相対的に自国文化に詳しくなるからなのか、彼女たちは日本だけでなく自国の文化についても詳しかったです。
 台湾の学生たちは地元の名所や名産の話をしてくれたのに対して、自分はこれらが上手く話せず、知識不足を痛感しました。今後は彼女たちにも説明できるように、自国に対する理解も深めようと思いました。

「立命館の先輩方との交流」

 今回の訪問では、台湾で活躍される先輩たちから、たいへんお世話になりました。著名だが混雑することでも名高い観光地の九份には、経営学部卒のアリー・チェンさんがわざわざ観光タクシーとプロのガイド氏を手配してくださり、また国際関係学部の卒業生の謝さんは、国会に相当する立法院のレストランに、わたしたちを招待してくださいました。
 お二人とも日本に関わるお仕事をされているとはいえ、見事な日本語を駆使されてわたしたちをもてなしてくださいました。台湾で活躍する本学出身者は多くいるようで、卒業を目前に控えたわたしたちも、何らかの形で後輩たちを大切にしなければ、と身をもって教えられた機会でもありました。
240318taiwan 2(迪化街での民情視察。OGのアリー・チェンさんが案内してくれました。)

 「観光地や市内の印象」 

 台湾桃園空港に着いてはじめに感じたことは空気の違いでした。現地の方が言うには、前日に火事が起きたためいつもより空気が濁っているとのことでした。外出している人の多くはマスクを着用しており印象に残りました。
 次に、台湾の建物は日本のものと大きく異なり、茶色やオレンジ等の暖色系の色味が多く使われていました。技術的になのか地理的になのか、日本の高層ビルのような高さのものはあまり見られず、古い家が多く残っていました。台湾では、中古の家を購入した後リフォームするといった流れが多いそうです。
 台北市内の街並みは、規模は違うものの日本の都市と似ているところがありました。特に印象的であったのが交通量です。台湾は車社会であるため、車やバイクの交通量がとても多かったです。
 また、市内や観光地の人混みは、日本の主要都市での混雑時とは比べ物にならないほどの空き具合で、混雑時の電車も比較的乗りやすかったです。

「蒋介石日記の公刊」

 ゼミの先輩が留学していたときの同級生であり、歴史関係の出版社に勤務されるミラ・リンさんが、職場に招待してくださいました。そこでは近代史研究の権威である呂芳上博士自ら、蒋介石日記の復刻・作成過程や、作成する中で意識したことについて、丁寧にお話ししてくださいました。それらの作業は大学課程で身につける一連の論証プロセスに通じるものがあり、大変勉強になりました。
 この日の午前中、なんと連日一般向けに開放されている総統府(プレジデント・オフィス)を見学して、単なる民主化の過程のみならず、マイノリティを大切にする多様化の実現に向けた台湾人のあゆみを振り返った直後だっただけに、かつての最高権力者の日記を含めて公開するまでにオープンな社会が誕生していることに改めて驚きました。

「これからの台湾と日本の交流」

 このような隣国台湾と日本の交流を考えると、これからも常に手を取り合い、助け合っていく関係性を続けていけたら良いと思います。特に地震の多い日本は、台湾の多大なる支援に幾度となく助けられてきました。それは決して経済面だけに限った話ではなく、人と人との心のふれあいや慰め合いの次元にまで深まっていると思います。
 さらに、若者が抱く関心事や自由闊達な意見の公表か許される社会であるという共通面も多いです。
 今回の台湾研修を機会に、わたしたちも隣国との相互理解を推進する働きをなしたいと願い、台北を後に機上の人となりました。
240318taiwan 3
宿舎ロビーにて記念撮影)

金丸ゼミ 青野優香 秋田裕加 島ノ江萌  寺田百花

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