集合写真(第15回白川静記念東洋文字文化賞)

2021.07.14 NEWS

第15回 立命館白川静記念東洋文字文化賞表彰式を開催

 6月26日(土)、第15回立命館白川静記念東洋文字文化賞」(以下「本賞」)の表彰式を開催しました。
 本賞は、立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所が、故・白川静立命館大学名誉教授の功績を顕彰するとともに、東洋文字文化の分野における有為な人材を奨励支援するために、功績のある個人または団体の業績を表彰することを目的としたものです。
 第15回となる本賞では、優秀賞は京都大学大学院文学研究科教授の大槻信氏、教育普及賞は愛知淑徳大学創造表現学准教授の阿部卓也氏、奨励賞は日本学術振興会特別研究員PDの松川雅信氏が受賞しました。式典では、仲谷善雄・立命館大学長より受賞者に祝辞が述べられ、芳村弘道・白川静記念東洋文字文化研究所所長より、賞状および副賞が授与されました。
 その後、3名の受賞者より挨拶が述べられ、大槻氏は「衣笠キャンパス近くで育ったこともあり、ご縁を感じている。古典には古辞書が必須で、辞書史研究について今後もまい進する所存である」、阿部氏は「錚々たる受賞研究の一つに選んでいただき、本当にうれしく励まされる気持ちである。この先も研究を続けていけるか不安になることもあったが、この受賞によって大きな後押しをいただいた」、松川氏は「母校からこのような栄えある賞をいただけたこと、本当にうれしく思います。この賞の内実に伴った研究ができるよう今後の研鑽に努めていきたい」と喜び言葉と今後の研究への抱負を述べられました。
 表彰式後には、受賞者の3名から御自身の研究内容について報告・紹介も行われました。

受賞者詳細 :
●立命館白川静記念東洋文字文化賞 優秀賞
大槻 信(京都大学大学院文学研究科 教授)
対象業績: 単著 (2019). 『平安時代辞書論考-辞書と材料-』 吉川文館 他
受賞理由:『平安時代辞書論考-辞書と材料-』の第一部は「概論」だが、一つ一つの論証が、大槻氏のこれまでの厚い研究 の蓄積に裏打ちされたものとなっており,初学者向けの解説にとどまるものではない。第二部の「各論」では、「辞書と材料」という観点から、事実の意味を的確に把握し、一般化しようと試みた論考が収められている。従来の辞書史研究に見られなかった視点で、辞書史研究を大きく転換させたものである

●立命館白川静記念東洋文字文化賞 教育普及賞
阿部 卓也(愛知淑徳大学創造表現学部 准教授)
対象業績:「写真植字の普及と杉浦康平の実践:1960 年前後の日本語組版における文字組み規範の成立をめぐって」他
受賞理由:写真植字は我が国の印刷文化、殊に文字組版において一時代を築いた。1970年代前半に複数のカラー雑誌が創刊されたが、その文字組版において印刷文化を支えたのが今回の論文のテーマになっている「写真植字」である。論文「写真植字の普及と杉浦康平の実践:1960年前後の日本語組版における文字組み規範の成立をめぐって」は、写植全盛時代、写植というテクノロジーを背景に、グラフィックデザイナーの第一人者であった杉浦康平氏が我が国のタイポグラフィに与えた影響について、新たな観点を交えて論じたものであり、示唆に富む内容となっている。

●立命館白川静記念東洋文字文化賞 奨励賞
松川 雅信(日本学術振興会特別研究員PD)
対象業績:『儒教儀礼と近世日本社会-闇斎の『家礼』実践』 勉誠出版 他
受賞理由:松川雅信氏の研究の大要は『儒教儀礼と近世日本社会-闇斎の『家礼』実践』に集約される。日本の儒者の学派で最大の門人を擁した山崎闇斎学派の教学内容とその機能の分析を企図している。氏は闇斎学が重視した儒教儀礼(家礼)が近世日本社会の秩序形成の要であった家秩序を補強するものであったことに着目し、その相関性を解き明かすことに注力している。それに向けて、これまでの類書以上に門人も含めた同学派の教説内容の詳細 な読み込みがなされていることは評価に値する。これから本格的な研究の深化を期待したい。

仲谷善雄学長
仲谷善雄学長
大槻信氏
大槻信氏

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