理工学部・村田 順二准教授、生命科学部・元村 一基助教が、創発的研究支援事業における2022年度新規研究課題に採択

理工学部・村田 順二准教授、生命科学部・元村 一基助教の2名が、科学技術振興機構(JST)創発的研究支援事業における2022年度新規研究課題に採択されました。

2022年度研究提案の募集を行った結果、2,790件の応募があり、書類選考と面接選考(事前評価)を経て、263件の研究課題とその研究代表者より今回、村田 順二准教授「電解液を用いない電気化学的微細表面構造創成」、元村 一基助教「革新的順遺伝学が拓く花粉運命決定機構の包括的理解」の研究課題が採択され長期的に支援されます。

理工学部・村田 順二准教授のコメント

研究概要

電気分解を利用した加工や表面改質は様々な分野で活用されていますが、薬液を大量に使用することから、環境負荷が大きいことが課題です。本研究では、固体電解質とよばれる機能性材料が薬液を代替することにより、液体を使用しない新たな表面プロセスを開発します。様々な材料の表面に、マイクロ・ナノスケールのパターニングや表面改質を行うことで、電子・生体・機械材料の新たな機能の発現を目指します。

コメント

創発的研究支援事業に採択され、驚くとともに大変光栄に思います。この研究提案のベースとなる研究に共に取り組んでくれた研究室の学生に感謝しています。まだ芽が出たばかりの研究ですが、この事業を通じて大きく成長させたいと考えています。また、異分野の研究者との連携により、自分でも予想できない方向に研究が進展する可能性も感じており、ワクワクしております。事業開始後も学生とともに楽しんで研究に取り組み、期待に応えられるよう励みます。

村田 順二准教授
村田 順二准教授
微細加工した銅表面
微細加工した銅表面

生命科学部・元村 一基助教のコメント

研究概要

花粉は、花粉管を伸ばす運搬役の“栄養細胞”と、その中に存在し卵細胞と受精する“精細胞”から構成されます。この極めて異なる2種類の細胞機能こそが植物の生殖・種子形成を支えていますが、その運命決定や分化メカニズムには多くの謎が残されています。そこで本研究では革新的なスクリーニング技術を駆使することで、これら2種類の細胞への分化分裂に関与する遺伝子を網羅的かつハイスループットに同定します。そして得られた包括的な知見をもとにして、植物の細胞運命を決める共通原理の理解を目指します。

コメント

創発的研究支援事業への採択、たいへん嬉しく思います。採択されたプロジェクトは試行錯誤が必須の挑戦的なものでして、まさに長期に渡り支援していただける、創発だからこそ取り組める研究内容です。最大10年ご支援いただける恵まれた環境を活かして、多方面に視野を広げながら異分野融合研究を推し進め、更に研究者として飛躍できるよう全力で頑張ります。

元村 一基助教
元村 一基助教
花粉
花粉

創発的研究支援事業について

創発的研究支援事業は、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ原則7年間(途中ステージゲート審査を挟む、最大10年間)にわたり長期的に支援する事業です。

採択後は研究者の裁量を最大限に確保し、各研究者が所属する大学等の研究機関支援の下で、創発的研究の遂行にふさわしい適切な研究環境が確保されることを目指します。また、創発的研究を促進するため、個人研究者のメンタリング等を行うプログラムオフィサーの下、個人研究者の能力や発想を組み合わせる「創発の場」を設けることで、創造的・融合的な成果に結びつける取組を推進しています。また別途、柔軟な研究中断とそれに伴う延長制度や、研究環境改善のための追加的な支援も計画しており、優れた人材の意欲と研究時間を最大化し、破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指します。

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