2023年12月2日(土)大阪いばらきキャンパス(以下OIC)にて、育てる里山プロジェクト主催・里山講座「森林・林業の現実と提案型集約化施業~日吉町森林組合の取り組みから~」を実施しました。

今回の講座では、第一部は京都府日吉町森林組合にて代表理事組合長を務める湯浅勲さんにご登壇いただき、林業の現実と実際の現場での取組について講演いただきました。第二部は中田林業代表・中田明さん(2019年里山講座登壇)、森庄銘木産業株式会社取締役専務・森本達郎さん(2022年里山講座登壇)、本学政策科学部教授・高村学人先生の3名にパネリストとして加わっていただき、様々な視点から林業の現実についてお話しいただきました。育てる里山プロジェクトのメンバー、一般参加含め計23名の方が参加してくださいました。
講師 京都府日吉町森林組合・代表理事組合長
湯浅勲さん
第一部・講演の様子

冒頭、育てる里山プロジェクト代表・田中先生(経営学部・教授)より、京都府日吉町周辺および日吉町森林組合について説明いただきました。

一部の講演では、世界有数の森林国であるはずの日本において、管理の行き届かない山林が増加している現実と、林家と林業労働者が対峙している厳しい現実について。また北欧をはじめとした林業先進国との事情の違いなどにつてお話しいただきました。山主の高齢化、代替わりにより管理が難しくなった山林に対し、現場で取り組んでいる集約化施業(小規模所有者の森林をとりまとめ、路網を開設して機械を林内へ入れて低コスト作業を行い、森林を面的に整備する)についても過程を具体的に説明いただきました。続けることにより、林業が成り立つ山林へと成長することができ、最近は町内以外の近隣の区域からも依頼があるとの事でした。「山を知っている人間・人を知っている人間・・・人を育てることが大事。今後の人材育成も大きな課題と思っている。」という言葉で講演を締めくくられました。

里山関係者、学生を含む方々が参加されました
左より高村先生 田中先生 湯浅氏 中田氏
森本氏

二部では、パネリストの皆様の取り組みや抱えておられる課題点についてお話しいただきました。最後の質疑応答では「大阪・関西万博などに関連した木材の使用は林業業界に明るい兆しになっているのか?」、「山林が外国に買収されているニュースを聞くが、林業にはどのような影響がでているか?」「若い世代の林業への就業の現状はどうなのか?」など、林業を巡る問題について学生、オンライン参加者から率直な疑問や感想が聞かれました。質問を受けて自身が林業に携わる様になったきっかけや、林業に対する思いなどもパネリストの皆様からお話しいただき、心に響く時間となりました。

参加者の方と皆様で記念撮影
B棟3階北山丸太の円窓床の前で

立命館大学は、今後も地域・社会連携を通じて相互の信頼関係を築き、新たな価値の創造による地域の発展に貢献することを目指していきます。

関連ページ:コミュニティ共創プロジェクト (育てる里山プロジェクト)
OIC地域連携室自主事業(コミュニティ共創プロジェクト)|社会・地域連携の取り組み 大阪|社会・地域連携|立命館大学 (ritsumei.ac.jp)

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