狼川でのいきもの採取調査実習

 立命館大学びわこ・くさつキャンパスの近くを流れる狼川の水質と生き物に関する調査活動を季節ごとに年4回、6か所の定点観測地点で行っている「湖南企業いきもの応援団」の活動に、本学理工学部 環境管理調査実習Ⅰ(吉川直樹講師)の受講学生が参加いたしました。

 「湖南企業いきもの応援団」は、滋賀経済同友会の会員企業様を中心に20社余りの企業様が参画され、合わせて草津市による水質調査の検証、琵琶湖博物館 専門学芸員 中井克樹氏による生き物データの検証を続けられており、今年活動10周年を迎えられました。

 授業では、この活動の今後の展開についての提案を行うことを目標としており、この日の参加企業〔㈱きんでん滋賀支店、イサム塗料㈱、ニプロ㈱びわこ工場〕の皆さまのご協力を得て実地での調査の体験を行いました。

 現地に向かう前に、学内にて湖南企業いきもの応援団の宮城成和さんより「湖南企業いきもの応援団」の成り立ち、現在までの活動状況のお話を伺いました。講義のあとはバスに乗り込み、いざ狼川へ。現地では、草津市環境政策課の皆さんや、参画企業の皆さんがすでに揃われていて、挨拶の後、初めて間近に見る胴付長靴をそれぞれ身に包み、作業にあたっての注意事項、調査の仕方、魚の採取などをレクチャーいただきました。

 現地調査では、水質測定として、pH、COD、硝酸態窒素、リン酸態リンなどを簡易水質測定キットを用いて計測しました。水質の透視度については、ペットボトルを再利用した湖南企業いきもの応援団手作りの道具を使っての測定となりました。

調査実習の様子
左上:宮城さんの講義/右上:現地で事前説明を受ける様子
左下:pHなど水質の簡易測定/右下:手作りの道具で河川の透明度を計測
狼川での様子
いよいよ狼川の中へ
いきもの採取の様子
みんなでいきものを採取しました

 いよいよ狼川の中に入っての生き物の採取です。タモ網と呼ばれる魚とり用の大きな網とバケツで生き物を捕まえますが、魚とりが初めての体験となる学生もいて、実際に採れるのか少し緊張した面持ちでした。1時間ほど川に入っての採取でしたが、天候にも恵まれて暖かな日差しの中、学生も皆さんも終始笑顔でとても楽しそうでした。散歩中の幼児連れのかたや、帰宅中の小学生が興味深々でバケツの中をのぞいている姿も見られ、地域に溶け込んだ活動であることがうかがえました。

同定調査の様子
左上:魚が捕れました/右上:採取したいきものを分類します
左下:中井専門学芸員による同定調査の様子/右下:学生も図を参考に魚の同定調査
振り返りの様子
調査の振り返りを行いました
記念撮影
最後に記念撮影

 琵琶湖博物館 専門学芸員 中井克樹氏による同定調査を終え、数種類のヤゴ、ドジョウ、カワムツ、ヌマムツ、スジエビなど、たくさんの生き物を採取することができました。また、タイワンシジミ、カワリヌマエビ、アメリカザリガニなどの外来種も多く確認できました。普段なかなか気に留めることのない川に、こうしてたくさんの生き物がいることに学生らも感動していました。

 参加した理工学部2回生の学生は「川で生き物を採取するという経験が小さい頃の遊びでしかなかったので、どこか懐かしい気持ちでした。自分たちで採取した魚や貝などを自分たちで調べて知ることができ、いきもの応援団の方々や市役所の方々、琵琶湖博物館の方などのお話を聞くことができてとても良い経験をさせていただきました。」と感想を述べました。
 別の学生も「この現地実習で川に多くのいきものがいることに驚き、企業主体のいきもの調査がとても意味のある事だと再認識しました。また、川でいきものを探すことで地域の子ども達との交流も楽しめました。」と述べました。

 「湖南企業いきもの応援団」の調査活動に参加させていただけたことに感謝しております。ありがとうございました。

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